【高松宮記念】スノードラゴン抜群12秒4!短距離王座返り咲きへ

[ 2016年3月24日 05:30 ]

短距離王座返り咲きだ!!坂路で力強く追い切るスノードラゴン

 一昨年の短距離王が完全復活だ。春のG1開幕を告げる「第46回高松宮記念」の追い切りが23日、美浦、栗東トレセンで行われた。美浦では14年スプリンターズS優勝馬スノードラゴンが迫力満点の動き。脚部不安による長期休養明け2戦目で挑む大一番。王座返り咲きを期す走りを披露した。

【高松宮記念】

 休養中の牧場で若返りの泉に漬かってきたような8歳馬のみずみずしい筋肉。朝日を照り返すスノードラゴンの白い体をまぶしそうに見上げながら高木師が馬上に声を掛ける。「フットワークが大きくなったよな」。鞍上の大野が満足そうに言葉を返した。「トモ(後肢)の踏ん張りが利くようになりましたから」

 脚部不安による1年3カ月の休養明けをひと叩きされて臨む大一番。8歳の芦毛は育ち盛りの若馬のように喜々としてストライドを伸ばした。坂路コースで単走追い。手綱を押さえたまま13秒9~13秒8~13秒3と1Fごとにピッチを上げて迎えたラスト1F。大野がハミをかけた途端、四肢に力がみなぎった。雄大なストライドで外ラチ沿いを突進していく。ラスト1F12秒4の瞬発力。「何も無理していないんですよ。前走以上の感触です」。大野の言葉を高木師が引き継ぐ。「気合が乗って、反応が早くなった。それに加えてもうひとつ…」。おどけたような顔でこう続けた。「8歳馬なのに筋肉が柔らかくなったんだ。休養前とは走り方まで変わってきたもの。以前は小刻みに脚を伸ばしていたのが大きなフットワークになった」

 休み明けで8番人気と評価を下げた前走も、大きな跳びで後方から3着まで差を詰めている。「馬体こそ仕上がっていたが、レース勘が戻っているのか心配だった。思惑以上の走り」と同師。「前走は時計の速い中山の馬場にも対応してくれたが、今の(時計がかかる)中京の方が向いている。左回りコースではG1を勝っているし、どの枠でもいい」と、大野も自信を隠さない。

 14年には新潟で代替開催されたスプリンターズS優勝、中京の高松宮記念2着。同年JRA賞最優秀スプリンターに輝いた芦毛馬が長いブランクを埋めて完全復活…いや、さらなる進化を遂げている。1年7カ月の休養を経てG1(02年安田記念)を制した同じ芦毛の父アドマイヤコジーンの蹄跡を追うように…。毛色とともに受け継いだ復活Vのシナリオ。若返りの泉に漬かってきたような8歳馬のみずみずしい筋肉が短距離王座返り咲きを可能にする。

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