【平和島・クラシック】坪井 完璧なイン速攻でSG3V

[ 2016年3月22日 05:30 ]

優勝した坪井(中央)はスキージャンプの船木和喜(左)、プロレスラーの蝶野正洋と笑顔で記念撮影を行う

 SG「第51回ボートレースクラシック」は21日、平和島で優勝戦が行われた。エース機を駆る1号艇・坪井康晴(38=静岡)がインを押し切り、08年チャレンジC以来となる3度目のSG制覇。優勝賞金3500万円を獲得し、生涯獲得賞金10億円突破。同時に今年の賞金を4303万円としてランキング1位に躍り出た。2着は深川真二、3着は中野次郎。共にSG初制覇はならなかった。

 松井のピット離れに刺激された深川が急きょ、前付け策で早めに舟を向けた。自分のペースでは起こせなくなった坪井。「持たないだろ」。ざわつく場内。誰もがピンチに立たされたと思った。だが…違った。外からの攻めも差しも一切受け付けない完璧なイン速攻。坪井が通算3度目のSG制覇を決めた。

 共同記者会見の場に姿を見せると「水をもらっていいですか」。冷静な勝利に見えたが、気持ちは張り詰めていたのだ。慌ててペットボトルからゴクリ。ようやくほぐれた。

 「自分をコントロールできた。今までにない感じだった」。前検日、抽選機からポトリと落ちた28番の玉。“鉄人28号”こと平和島のエース機。「2走目で調整のゾーンが分かった。優勝戦はギア調整で今節一番の感触だった」。抽選運と調整力がかみ合った。

 06年、地元の浜名湖グラチャンでSG初優出初優勝。08年チャレンジC制覇も地元。共に予選トップからの王道Vだが、坪井はこう言う。「1回目は1Mで暴れた。2回目は道中のミスで追われ、ガッツポーズができなかった。やっとまともに勝てた」。三度目の正直。夢に描いた力強いガッツポーズでのゴールをようやく実現させた。

 今年の目標を聞かれ「賞金ベスト6に残ること」と即答した。同時に坪井の表情が一瞬、厳しくなった。思い出したのは昨年のグランプリ。「消化不良のままシリーズ戦に回され準優にも乗れなかった。惨めだった」。一年間の集大成が最初の2走で終わった。ベスト6で乗らなければ意味がない。そう誓った直後のSG開幕戦V。「申し分のないスタートが切れた」。視線の先は年末へ。坪井の戦いが始まった。

 ◆坪井 康晴(つぼい・やすはる)1977年(昭52)10月7日、静岡県生まれの38歳。静岡支部。82期として98年、浜名湖で初出走。同期は赤岩善生、中沢和志、横沢剛治、菊地孝平ら。06年6月、浜名湖グランドチャンピオンでSG初優出初優勝。通算成績4260戦1361勝。優勝56回(SG3、G19)。1メートル65、53キロ。血液型O。

 ◇次走 優勝した坪井康晴の次走は4月6日からの桐生G1ダイヤモンドカップ。田中信一郎、山崎智也、石野貴之、毒島誠らとVを争う。田村隆信、深川真二は26日からのからつG2モーターボート大賞。太田和美、瓜生正義、池田浩二、峰竜太ら強豪がそろう。中野次郎は4月22日からのとこなめ一般戦。矢後剛、浅見昌克、横沢剛治らが参戦。松井繁は4月5日からの津G1つつじ賞王座決定戦。今垣光太郎、篠崎元志、茅原悠紀らが相手。守田俊介は25日からの江戸川G2モーターボート大賞。浜野谷憲吾、石渡鉄兵、中島孝平らと優勝を争う。

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