菜七子「びっくり」女性最速重賞騎乗へ スプリングSで電撃依頼

[ 2016年3月18日 05:30 ]

美浦トレセンで追い切りを終え、馬を下りる藤田

 菜七子、JRA女性ジョッキー最速デビュー16日目の重賞トライだ!JRA16年ぶりの新人女性騎手・藤田菜七子(18=根本)が、スプリングS(20日、中山)でモウカッテルに騎乗することが出馬投票当日の17日、電撃決定した。フラワーC(21日、中山)の騎乗予定馬シャララは除外(抽選落ち)となったが、予期せぬ朗報に喜ぶ菜七子。話題沸騰の新人は19日からのJRA3日連続開催で計12鞍に騎乗、待望の初勝利を目指す。

【スプリングS】

 午後1時すぎ、鎌ケ谷での始球式を終えた藤田菜七子は「(フラワーCの)抽選の結果が気になりますね」と言い残し、美浦にトンボ返りした。その車中、午後1時19分に根本師の携帯電話に朗報が届いた!!20日中山のスプリングSに挑むモウカッテルの騎乗依頼だ。予想すらしていない突然の吉報に、菜七子は「びっくりです…。もちろん、うれしいです」と菜七子スマイルを弾ませた。

 実は美浦に戻った菜七子は出馬投票所に足を運び、自らの騎乗馬の確認も行っていた。朝は6頭の調教をこなしその後、鎌ケ谷に向かう過密スケジュール。フラワーCで騎乗予定だったシャララの最終追いにも騎乗して「乗りやすい馬です」と期待を膨らませていたが、こちらは午後3時に1勝馬同士の“26分の14”の抽選に落選し除外に。菜七子は「残念です…」と肩を落とした。

 2日連続の重賞騎乗の夢はならなかったが、これでJRA女性騎手最速(16日)での重賞騎乗が実現だ。菜七子は「乗せていただいたオーナーや調教師さん、厩舎関係者に感謝です。期待に応えられるように乗りたい。馬についてはこれからビデオを見て研究します」と目を輝かせた。勝てばもちろん、JRA女性騎手として初の重賞制覇。デビュー3週目にしていきなり歴史的偉業に挑む。

 モウカッテルの父アンライバルドは09年スプリングSも勝ち、皐月賞も制覇。きさらぎ賞6着→弥生賞9着と最近2走は一息だが、マカヒキ、サトノダイヤモンドなど牡馬一線級に挑んだ経験値は侮れない。日高助手は「これまでの(鞍上の)競馬内容から、可能性を感じて騎乗を依頼した。後ろから行く馬なので、落ち着いて乗ってほしい。メンバーは強いが、どこまでやれるかですね」とワイドショーも席巻する“新鮮力”に託している。

 高知→美浦→鎌ケ谷と飛び回る菜七子の奮闘に応えるように、3日間開催の今週は12鞍(土曜中京2頭、日曜中山4頭、月曜中山6頭)の騎乗馬が集まった。19日には中京へ初遠征。自身初の白星を狙う。「中京は直線もそこそこあって、坂もある。大変なコースだと思うが頑張ります」と気合を入れた。

 さらに次週24日の浦和参戦が正式に決定。「ツインエース特別」のウインアンビション(牡3=畠山)に騎乗する。根本師は「浦和の馬にも乗せていただく話は来ている」と話し、今週の活躍次第では騎乗馬が増える可能性もある。初中京、初重賞、初浦和。菜七子にはたくさんの初めてが待っている。

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