【弥生賞】マカヒキ無敗で皐月へ!レースレコードで重賞初制覇

[ 2016年3月7日 05:30 ]

マカヒキ(中)は2着のリオンディーズ(左)、3着のエアスピネルを置き去りにする剛脚で皐月の主役に躍り出た

 皐月賞トライアル「第53回弥生賞」が6日、中山競馬場で行われた。デビュー2連勝で臨んだ2番人気マカヒキが直線一気の末脚で差し切り、1分59秒9のレースレコードというオマケを付けて優勝した。2着リオンディーズ、3着エアスピネルまでが優先出走権を獲得した。手綱を取ったルメールはJRA重賞通算30勝を達成。皐月賞本番でもコンビを続行するかは未定だが、牡馬クラシック戦線にまた有力候補が現れた。

【レース結果】

 父をほうふつとさせる衝撃が中山の急坂に走った。朝日杯FS1、2着馬との“3強対決”を制したのは、ここが重賞初挑戦だったマカヒキだ。ガッツポーズで引き揚げてきたルメールは興奮気味に「重賞を勝っているリオンディーズ、エアスピネルに勝てて本当にうれしい。凄い走るよ!」と声を弾ませた。

 スタートが遅く、最後方から。だが、折り合えると確信していた鞍上は1角からポジションを押し上げていく。掛かり気味のライバルたちとの差をじわりと詰め、直線入り口では8番手。残り300メートルでスイッチを入れると、父ディープインパクト譲りの剛脚(3F33秒6)を繰り出し、ライバル2頭をねじ伏せた。上がりタイムも勝ち時計(1分59秒9)も、弥生賞史上最速。まさに圧巻のパフォーマンスだった。

 「中山はいいポジションにいないと厳しいので1角から上げていった。ずっとリラックスしていたし、とても乗りやすい。直線の反応も素晴らしい」と、ルメールは手放しで褒めちぎった。一方、友道師は「ジョッキーがうまく乗ってくれた」と、鞍上の好騎乗を最大の勝因に挙げた。

 立ち振る舞いからも大物感があふれている。金子真人オーナーは新馬戦後に「こんなに落ち着いているのはキングカメハメハ以来」と往年の愛馬になぞらえた。2戦目の若駒Sは少しテンションが高くなったが、初の中山遠征だったこの日は「装鞍所に行くまで眠っていた」と友道師が語ったように落ち着き十分。これから激しさを増すクラシック戦線で精神面の安定は大きなアドバンテージになるのは間違いない。

 気になるのは本番、皐月賞での鞍上だ。ルメールには、やはり3戦無敗のサトノダイヤモンドという“お手馬”がいる。「マカヒキは手ごわいライバルになりそうか?」と問われたルメールは「うーん、まだどちらに乗るかは…」。友道師も「まだ鞍上は分からない」と未定を強調した。

 新馬→若駒S→弥生賞のV3は偉大な父ディープインパクトが歩んだ道と全く同じ。「この馬もお父さんのようになってくれれば」と友道師。逸材ぞろいの牡馬クラシック戦線に、主役候補がまた一頭。今年の皐月賞は、空前のハイレベル決戦となる。

 ◆マカヒキ 父ディープインパクト 母ウィキウィキ(母の父フレンチデピュティ)牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金8105万円。

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2016年3月7日のニュース