菜七子、中央2日目は9、11着…初白星お預け 15日は高知遠征決定

[ 2016年3月7日 05:30 ]

レース後の囲み取材でサプライズゲストで登場した武豊に褒められ喜ぶ藤田菜七子

 JRA16年ぶりの女性ジョッキー藤田菜七子(18)と、地方の女性トップジョッキー別府真衣(28)の“なでしこ対決”が6日、決定的となった。この日、高知競馬で15日に行われる指定交流競走「はりまや盃」の出走予定馬が発表され、中央馬は6頭の出走枠に対して10頭の申し込みがあったが、菜七子が騎乗するハナリュウセイ(セン5=根本)が抽選を突破した。

 高知参戦の一報を聞いた菜七子は「初めての競馬場だけど頑張りたい。別府さんと、たくさんお話をしたい」と期待に胸を膨らませた。師匠の根本師も「成績は悪くない馬なのでチャンスは十分」と腕をぶす。別府の騎乗馬が決まるのは11日の最終投票を経てからだが、現時点で高知の調教師である別府の父の管理馬が高知出走枠の補欠1番手となっているだけに可能性は十分。また、3日の川崎と同じように高知の調教師から騎乗馬を依頼される可能性もあり、競演実現は間違いなさそうだ。

 この日、中央デビュー2日目となった菜七子は中山で2鞍に騎乗。2Rのホシノブーケでは師匠の根本師が87年ダービーを制したメリーナイスと同じ柄の勝負服を着用。メリーのオーナーが馬主を辞める際に勝負服も抹消、ブーケの村山忠弘オーナーが根本師と縁深かった経緯もあり、同じ勝負服を登録していた。レースは好スタートから中団で脚をためたが、直線伸びず9着。この日2鞍目の最終12Rでは芝レースを初体験。騎乗したスワンボートは中団から末脚勝負に懸けたが11着。デビューウイークの初白星はお預けとなった。

 この日、憧れの武豊との対決が実現。レース後の共同記者会見にもサプライズゲストとして武豊が加わると「しっかり乗っていましたよ。僕のデビュー時よりうまい」と騎乗ぶりを絶賛。それを聞いた菜七子は頬を紅潮させ喜んだ。カメラマンにポーズを求められると、武豊は「近づくと手をつないじゃうかも。(菜七子の)ファンに怒られちゃう」とジョークを飛ばし場を和ませていた。

 3日の川崎初騎乗、中央デビューに加え、連日の取材攻勢。怒とうの1週間を無事に終え「ホッとしている。今はゆっくり休みたい」とポロリと本音を漏らした。本人の思いをよそに、全国規模へと広がりつつある“菜七子フィーバー”。休んでいる暇は、当分はなさそうだ。

 ▼藤沢和師 実戦は学校で習ったこととは違うことばかり。いま、日本にはルメール、ミルコ(デムーロ)と世界有数の手本がいる。間近で見て、学べるチャンスを生かしてほしい。

 ▼蛯名 あれだけのカメラに囲まれ、有馬記念みたいな雰囲気の中でも普通に乗れているのは大したもの。気持ちが太いね。一つ一つ乗り越えて、うまくいってくれたらいいね。

 ▼内田 馬込みでもしっかりと乗れていたし、コーナーもうまく回っていた。騎乗馬は増えてくるだろう。何より華があっていい。それなりの馬に乗ることさえできれば、すぐに勝てる。

 ▼石川 上手に乗っているし、中央デビュー戦で2着に来るのは凄いこと。あの存在感は凄い。自分は初勝利が遅くて苦しんだ。そうなっても、焦らずにコツコツと頑張れば大丈夫。

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