日本での競演が夢 憧れリサからエール「ガンバッテ、ナナコ!」

[ 2016年3月3日 05:30 ]

昨年5月に憧れのリサ・オールプレス(左)と対面した藤田

 JRAで16年ぶり、7人目となる新人女性騎手、藤田菜七子(18)が3日、大注目を集める中、川崎競馬場(中央は5日)でデビューする。騎手を志してから現在に至るまでの道のりをたどり、その素顔に迫る。

 藤田菜七子が目標とするのは、ニュージーランド出身の女性騎手リサ・オールプレス(40)。昨年5月から3カ月間、短期免許で来日して6勝を挙げた。夫は母国で開業する調教師のカール・オールプレス師で、2児の母でもあるママさんジョッキーだ。

 リサは日本でも長距離ランニングなどのトレーニングをストイックに行う一方で、世話になっている厩舎に手作りのお菓子を差し入れるなど女性ならではの配慮も欠かさなかった。厩舎実習期間とリサの来日が重なり、その姿を目の当たりにした菜七子は「普段のトレーニングから競馬に対する姿勢、考え方。全てにおいて絶対に手抜きをしない」と心酔した。

 昨年、二ノ宮厩舎の親睦パーティーで同席した2人は、すぐに打ち解けた。菜七子は日本とニュージーランド競馬の違いに熱心に耳を傾けた。リサは「素直な子で、一生懸命にやっているのがよく分かった」と感心した。自身の経験を踏まえ「日本の競馬界はまだまだ男性の方が圧倒的に多いので、苦労は絶えないと思う」とアドバイス。「乗り越えて行くには、技術面はもちろん精神面も鍛えること。(日本語で)“ガンバッテ、ナナコ!!”」と熱烈エール。そして、菜七子の騎乗レースはインターネットで必ずチェックすると約束した。

 菜七子は「今度リサが日本に来たら、一緒に騎乗するのが夢」と“憧れの人”との競演に胸を膨らませる。リサと同じく、将来は結婚、出産を経てママさんジョッキーとしての活躍も考えているのか?この質問には「今は騎手としてやっていくことしか考えていません。そういうのは、まだ先の話」ときっぱり。固い決意を持って、騎手への道を歩んでいく。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日、茨城県生まれの18歳。根本康広厩舎所属。目標の騎手はリサ・オールプレス。1メートル57、46キロ。血液型A。

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2016年3月3日のニュース