【フェブラリーS】モーニン 古馬ダートG1最速&レコードV

[ 2016年2月22日 05:30 ]

直線で抜け出し、古馬ダートG1史上最速でレースを制したモーニン(右)

 16年中央競馬のG1開幕戦「第33回フェブラリーS」が21日、東京競馬場で行われた。道中6番手を進んだ2番人気モーニンが力強く伸び、G1初制覇。デビュー7戦目、デビューから282日目のJRA・G1制覇はダートでは史上最短&最速の快挙。初コンビのM・デムーロはフェブラリーS4度目の挑戦で初V。石坂師は08年ヴァーミリアン以来、2度目の制覇となった。史上初のフェブラリーS3連覇を狙ったコパノリッキーは7着に終わった。

【レース結果】

 モーニンが鮮烈な世代交代劇を演じた。意気揚々と検量室前に帰ってくると、初コンビのM・デムーロの笑顔が馬上ではじけた。

 「グッド、モ~ニング」

 1分34秒0の堂々のコースレコードで走り抜いたというのに、相棒は息も乱れていない。次元が違った。

 スタートはむしろ遅かった。だが手綱を動かして3コーナーで6番手へ。直線も馬群を縫うように進出した。横一線の残り1F。ゴーサインが出ると、一瞬で後続を離した。壮絶な2着争いを尻目にノンコノユメに決定的な1馬身1/4差。G1初挑戦で初制覇の快挙をいとも簡単に成し遂げた。

 テン乗りで結果を出したデムーロは「とてもうれしい。同じレースで一緒に乗って、強い馬と分かっていた。オファーが来た時はうれしかったよ」と笑った。根岸S1着で優先出走権をつかむと、石坂師は「ふさわしいジョッキーを…」とすぐ依頼した。「先生からスタートは速くないけど、出して行けばスピードがあると聞いていた。真面目で賢い。強い馬だ」と初めてのパートナーを称えた。

 デビューから1年にも満たない282日目の頂点。古馬ダートG1では最速の偉業だ。ただ、道のりは平たんではなかった。14年米国OBSマーチセールで2位タイの1F10秒0を叩き出し落札。「でかいなあ。でもちょっと緩い馬だな」が石坂師の第一印象。しかし、セールで仕上げた影響か、来日後に反動が出た。一時は競走馬としてデビューできない不安もあったという。しかし、3歳春の昨年5月デビュー後はトントン拍子。7戦6勝と完璧な航跡だ。石坂師は08年ヴァーミリアン以来、2度目の制覇。ベストウォーリアと2頭出しの戴冠に「スッと勝つならモーニンかなと思っていた。(5歳以上の)古馬と一緒だと、まだ可愛らしいけど…。最後までしっかり伸び、今までにない競馬。あらためて強いと認識した」と満足そうに振り返った。

 待望久しい砂の新星。予備登録を行ってない3月ドバイ国際競走に参戦予定はないが、唯一敗れた昨秋武蔵野S(3着)のマイルを制圧したことで夢は広がった。石坂師は「短距離馬かなと思っていたけど、きょうの勝利で今後は考え直さないと…。選択肢が広がった」と次走は保留したものの、新たなターゲットを模索した。雨上がりの府中で爆走したモーニン。進撃の勢いが増すのは間違いない。

 ◆モーニン 父ヘニーヒューズ 母ギグリー(母の父ディストーティドヒューマ)牡4歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・馬場幸夫氏 生産者・米国エンパイア・イクワインズ 戦績7戦6勝 総獲得賞金1億9453万2000円

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