【共同通信杯】伏兵マジェスティ差し切りV!最速上がりで人気馬撃破

[ 2016年2月15日 05:30 ]

共同通信杯を制し、クラシック候補に躍り出たディーマジェスティ(右)

 関東からクラシックの新星誕生だ。「第50回共同通信杯」は14日、東京競馬場で行われた。蛯名騎乗の6番人気ディーマジェスティが後方から力強く伸びて差し切りV。昨年暮れのホープフルSを左後肢フレグモーネで取り消した影響を全く感じさせない走りで、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。

【レース結果】

 ハートレーとスマートオーディン。人気を分けた重賞ウイナーの一騎打ちムードを打ち破ったのは6番人気の伏兵ディーマジェスティ。引き揚げてきた蛯名が思わず「やった!!」と叫んだ会心の騎乗だった。

 序盤はやや縦長になった隊列の中団を追走したが、3角手前では馬場にノメり最後方近くまで下げた。そこで蛯名は3角から左ステッキを振り下ろして叱咤(しった)激励。馬の集中力を切らさぬように直線に向くと今度はステッキを右に持ち替え、さらに1発、2発…。鞍上の鼓舞に反応したのは残り300メートル。ここからがこの馬の能力の証。3角から追い通しでも父ディープインパクト譲りの末脚には余力が残っている。約600メートルを追われ続けながら先に抜け出したイモータルを力でねじ伏せた。

 「この馬もディープらしいところがある。悪い馬場は決してうまくないんだけど、直線はいい反応だった。このメンバーたちを負かしたんだから自信を持っていい」。蛯名は称賛すると、さらに続けた。「まだ対戦していない強い馬もいるが、クラシックの舞台に上がれるのが楽しみ」。皐月賞に向けて、手応えを感じた勝利だった。

 二ノ宮師も満面の笑みで愛馬を迎えた。昨年暮れのホープフルSは左後肢にフレグモーネを発症して出走取り消し。幸いにも軽症で、師は「回復に時間はかからず、すぐにここを目標に調整してきた。先週と今週で強い調教ができて、少しずつ成長しているのを感じた」と振り返った。二ノ宮師も蛯名も、このレース最多となる4勝目。勝ち方を知り尽くしたコンビの経験値が潜在能力を引き出した。「まだまだ精神的に子供。もう少し体が詰まると伸びのある走りになってくれる」と同師。“追加注文”は大きな期待の裏返しだ。

 皐月賞へ直行か、1戦挟むか。指揮官は明言しなかったが「これで本番に向けて余裕のある調整ができる」とにやり。伏兵から主役へ、大舞台に堂々と駒を進める。

 ◆ディーマジェスティ 父ディープインパクト 母エルメスティアラ(母の父ブライアンズタイム)牡3歳 美浦・二ノ宮厩舎所属 馬主・嶋田賢氏 生産者・北海道新ひだか町服部牧場 戦績4戦2勝 総獲得賞金4817万1000円。

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2016年2月15日のニュース