【京都記念】サトノクラウン復活V!昨秋天皇賞17着の雪辱

[ 2016年2月15日 05:30 ]

サトノクラウンが飛び出し、独り旅でゴール

 京都メーン「第109回京都記念」は、関東から遠征した昨年のダービー3着馬サトノクラウンが好位から抜け出して重賞3勝目を挙げた。

 “究極の底力勝負”を制したのは6番人気のサトノクラウンだった。この日の京都は前日からの雨で不良馬場でのスタート。メーンレースまでに「重」まで回復したが蹄音は鈍く、連続開催の終盤でもあり極端に時計のかかる馬場。勝ち時計2分17秒7は、このレースで最も遅いタイム(2200メートル戦になった94年以降)での決着になった。

 クラウンは昨秋の天皇賞(17着)以来の実戦だったが、M・デムーロは「久々でうるさかったがスタートしてからの脚が違った」と馬なりでスッと2番手につける。下り坂でばらける馬群を鞍上は迷いなく早めにスパート。直線入り口で先頭に立つと、最後は馬場が良好な内ラチから6頭分外に持ち出し一気に突き抜ける。瞬発力をそがれる馬場に各馬が苦しむなか、悠々と2着のタッチングスピーチを3馬身差ちぎった。初コンビで勝利へ導いた鞍上は笑顔で回顧する。

 「先生(堀師)からは凄くいい状態と聞いていた。頭の低い走りで、この馬場がどうかと思ったけど手応えが違いましたね」

 昨年の皐月賞(6着)でも堂々の1番人気に推された素質馬。ダービーでも同じ厩舎のドゥラメンテから0秒3差の3着と地力の高さを示した。ただ、ダービー後は腰関節のズレで生じた疲労の蓄積が抜けず、馬体調整に時間がかかった。そのため古馬との初対戦だった前走の天皇賞・秋(17着)はぶっつけ参戦で力を発揮できなかった。この中間は馬に無理をさせない調整でウイークポイントを解消。見事に復活Vを決めた。

 昨年の勝ち馬ラブリーデイは、このレースでキズナやハープスターを一蹴し、その後にG12勝(宝塚記念、天皇賞・秋)を挙げ、一気にスターダムへと駆け上がった。クラウンの次走は未定だが、これは序章にすぎない。持ち前の底力で快進撃はまだまだ続く。

 ◆サトノクラウン 父マルジュ 母ジョコンダ2(母の父ロッシーニ)牡4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・里見治氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績7戦4勝 総獲得賞金2億992万円。

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2016年2月15日のニュース