【有馬記念】ハーツ産駒ワンアンド“伏兵父子制覇”手応え

[ 2015年12月23日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=15日】中央競馬ファンの夢を乗せて走るグランプリ。レース後、ファン投票1位の馬が大歓声を浴びるシーンは絵になるが、そこは勝負事。思わぬ伏兵馬が制し、どよめきが起きることもあった。例えば05年。単勝1.3倍のディープインパクトを2着に負かしたのが、4番人気ハーツクライ。場内は異様な雰囲気だった。

 あれから10年。ハーツクライを管理した橋口弘師が来年2月末に定年を迎えるため、有馬記念は今年が最後となる。送り出すのはメンバー唯一のハーツ産駒ワンアンドオンリーだ。昨年の神戸新聞杯から約1年3カ月、勝ち星を挙げていなくても見限れない。担当する甲斐助手のトーンが高いのだ。坂田が取材した中で、これほど前向きなのはいつ以来か…と思うほど。前走のジャパンCが好位で粘り込み、勝ち馬と0秒3差の7着。その内容が手応えにつながった。甲斐助手は「2走前は装鞍所にいるときから気持ちが入っていなかったけど、前走はやる気があった」と振り返る。調教で工夫を凝らした効果があった。「もともと調教で動くタイプじゃないので、無理に動かそうとするのではなく気持ち良く。コースとの併用をやめて坂路一本でやってきたんです」

 日に日に調子を上げているのが背中から感じ取れたという。この中間も同じ調教方法で乗り込んできた。「今回の方が状態は数段いい。使って良くなる馬」と不敵な笑み。闘争心を取り戻したダービー馬が、グランプリであっと言わせるかもしれない。

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2015年12月23日のニュース