【有馬記念】ゴールドシップ有終7冠へ!まるで本追い切り1F12秒5

[ 2015年12月21日 05:30 ]

夜明け前の坂路で、芦毛の馬体をはずませるゴールドシップ

 今年の有馬も有終Vだ!節目の第60回を迎える暮れの大一番「有馬記念」(27日、中山競馬場)が、いよいよあと6日と迫った。ファン投票1位で引退レースに臨むG1・6勝馬ゴールドシップが20日、栗東坂路で日曜追い切り。ラスト200メートル12秒5と抜群の伸び脚を披露しラストランに向け万全の態勢をアピールした。

【有馬記念】

 午前5時半、気温0度のいてつく空気を白い馬体が突き破る。さあ、いよいよ有馬記念。大一番の幕が開けた。ゴールドシップが白い息を吐きながら力強く一歩、また一歩。鞍上が仕掛けると瞬時に加速し、馬場中央をブレのない走りで駆け抜けた。ラスト1F(200メートル)は12秒5。本追い切りと見まがうほどの鋭い伸びを見せた。

 手綱を取った北村助手は満足げに感触を伝えた。「1回使って反応が良くなっている。気合乗りも上々。金曜も元気がよかったし、内田ジョッキーが乗った追い切り(16日)でスイッチが入ったんでしょうね」。笑顔で話すと、調教を終えてゴールドを止めようとした際に振り落とされそうになったことも明かした。

 この元気こそがこの馬の原動力。「菊花賞も神戸新聞杯も暴れて勝っているからね」とこれまでの歩みを振り返る。今年は天皇賞・春でG1・6勝目を挙げたが宝塚記念は大出遅れで15着、秋初戦のジャパンCも10着。27戦のキャリアで初めて2戦続けて掲示板を外した。衰えも懸念される6歳の暮れ。それでも北村助手は「最近元気がないのではという人もいるけど、元気がないことは絶対ない」と変わらないことを強調した。

 レース後には中山競馬場で引退式を行うことが決まっている。13、14年はオルフェーヴル、ジェンティルドンナがそれぞれ有終の美を飾って引退式に臨んだ。目指すはもちろんその再現。歴代最多タイのG1・7勝目を挙げてファンに別れを告げるつもりだ。

 やんちゃで気分屋で成績にもムラがある型破りの名馬は、だからこそファンから根強い支持を受ける。「この馬だけはやってみないと分からない」。率直な手応えを口にした北村助手はそれでも最後にこう付け加えた。「順調っすよ。大丈夫だと思います」。ファン投票1位で迎えるラストラン。主役は元気に有馬ウイークを迎えた。

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2015年12月21日のニュース