【朝日杯FS】リオンディーズ 勢い余って僚馬置き去り

[ 2015年12月17日 05:30 ]

M・デムーロの合図で伸びるリオンディーズ

 “異変”は追い切り開始直後に起こった。CWコースで僚馬2頭の後ろを追走する予定だったリオンディーズが向正面で勢いよく上昇。僚馬を置き去りにしてしまった。M・デムーロは「一番後ろから行く予定だったが、スタートで1頭で前に行っちゃった。引っ掛かった」と誤算を認めたが、運もあった。

 前には有馬記念出走予定のアドマイヤデウスの併せ馬。この2頭の後ろにつけると落ち着きを取り戻した。デムーロは「他厩舎の馬の後ろにつけたら乗りやすかった。テンションが高いわけじゃない。トビが大きいだけ。動きは良かった」と解説した。フットワークの大きい馬は他馬の走りに合わせづらいこともあり、鞍上も馬のリズムを優先した格好だ。直線は単走ながら余裕十分の動きで6F83秒1~1F12秒4。岸本助手は「予定の併せ馬はできなかったが、デムーロもペースが上がれば大丈夫だよと言ってくれた」とペースアップしてからの走りには納得の様子だった。

 デムーロは「まだ経験がないけど走る馬だと思う」と素質の高さに太鼓判を押した。母は05年に日米オークス制覇を成し遂げたシーザリオで、半兄は昨年ジャパンC圧勝のエピファネイア。母も兄も担当した鈴木助手は「兄のように純粋に掛かるという馬ではないし、精神面ではしっかりしている。力強さと雰囲気は母や兄に似ている」と“血の力”を感じ取っている。

 キャリア1戦ながら新馬戦を完勝して臨むG1舞台。角居厩舎所属馬でチャンピオンズC(サンビスタ)、チャレンジC(フルーキー)と2週連続重賞Vのデムーロは「レースでは折り合いは大丈夫。今週も頑張ります」と意気込んだ。馬名はシェイクスピアの「冬物語」に登場する王の名。2歳王者を狙うリオンディーズの冬物語が、あっさりハッピーエンドを迎えても何ら不思議はない。

続きを表示

2015年12月17日のニュース