【ジャパンC】ラブリーデイ余裕の加速“馬体改造”の成果

[ 2015年11月27日 05:30 ]

川田を背にCWコースでアッシュゴールド(右)と併せ馬で追い切られたラブリーデイ

 「第35回ジャパンカップ」の出走馬、枠順が26日、確定した。先週の3日間開催の影響を受けて、出走馬の多くが栗東、美浦トレセンで木曜追い切りを行った。2頭出しで挑む池江厩舎は重賞4連勝で天皇賞・秋を制したラブリーデイが余裕たっぷりの最終仕上げ。

 ラブリーデイは川田を背にCWコースでアッシュゴールド(3歳1600万)を3馬身追走からスタート。張りに満ちた馬体をグッと沈ませながら、スムーズに加速して4コーナーで内へ。半馬身まで一気に差を詰めると、直線で馬体をピッタリ寄せて併せ馬。わずかに鞍上が手綱を動かしただけでジワリと前へ出て、ゴール前は首差先着。ゴール板を過ぎても減速することなく、1コーナーまでスピード感たっぷりに駆け抜けた。

 時計は4F54秒5~1F12秒6と決して目立たないが、川田が「これで十分」と話せば、池江師も「体はできている。お釣りを残す程度でいい」と納得の表情。1週前に6Fから負荷をかけられており、直前はあくまで微調整に徹するのみ。

 今年の鳴尾記念から重賞4連勝で天皇賞・秋を制覇。まさに、春を境に馬が“激変”した。師も「前走はパワーと切れ味が増して、さらに強くなった。肉体面と精神面での成長が大きい」と目を細める。「担当の山元助手が普段から、いろいろと教え込んでくれているから」と続け、急成長の要因を挙げた。

 その山元助手は、14年の中日新聞杯(3着)からラブリーを担当。コツコツとメリハリ重視の乗り込みを実施して、ついに“改造”に成功した。まずは小回り角馬場でのフラットワーク(前進、後退、停止などを繰り返す)で体と心をほぐす。次に広い角馬場へ移動して、締める。これを日々繰り返すことで肉体面でのバランスが取れるようになり、口向きの悪さが解消。同時に、カリカリした気性も影を潜めていったという。

 舞台は底力が要求される東京2400メートル。ダービー7着、加えて2500メートルの目黒記念、アルゼンチン共和国杯で5着。重賞では勝ち星がないが、善戦マンで終わっていたかつての軟弱な姿はない。「日本代表として、恥ずかしくない競馬を。当然、狙うのは1着です」とトレーナーは胸を張る。勝てば史上4頭目の重賞年間7勝。今のラブリーならば、偉業達成も夢ではない。

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