【マイルCS】国内敵なし!モーリス 完璧Vで春秋マイル王

[ 2015年11月23日 05:30 ]

マイルCSを制したモーリス(手前)

 最強マイラーの誕生だ。「第32回マイルCS」が22日に京都競馬場で行われ、4番人気のモーリスが中団から鮮やかな差し切りV。史上10頭目となる春秋マイルG1制覇を成し遂げた。安田記念以来となる中167日での勝利はレース史上最長ブランク。管理する堀師は今年G1・4勝目でトップの池江師に並んだ。

 90周年を迎える京都競馬場に、新たな伝説がまた一つ。モーリスが圧巻の春秋マイルG1制覇だ。休み明け、外枠、スタート…。戦前に指摘された課題など全く関係なかった。ムーアは「1000メートルの時点でいい位置につけられて、あとは力を発揮してくれれば勝てるのではと思った」と事もなげに振り返った。

 一分の隙もない完勝だった。課題のスタートを決め、内の馬の出方を見ながら中団へ。フィエロの外でピッタリと折り合った。直線は外から鋭く伸び、残り100メートル手前で先頭へ躍り出るとあっという間に1馬身1/4差をつけた。上がり3F33秒1は勝ち馬としてはレース史上最速。堀師は「美浦にいる段階ではいい状態だったし、輸送も乗り越えてくれた。レースは折り合いが完璧だったので安心して見ていられた」と目を細めた。

 「内枠が欲しくてペースも速くなってほしかったが実際は外枠でゆっくりペース。それでもいい位置につけて王道の競馬ができた。馬を褒めたい」とムーア。内枠の好走が目立つ同レースで8枠からの勝利は92年ダイタクヘリオス以来2頭目。理想の枠、展開でなくてこの勝ちっぷりだから恐れ入る。デビュー2戦目(13年京王杯2歳S=6着)以来の騎乗だった英国の名手は「当時は大きな馬だけど体が出来上がっていなかったのが体に伴った筋肉がついてきた」とコメント。何度も「馬の成長の証」と繰り返し、パートナーを称えた。

 栗東から堀厩舎に転厩したのをきっかけに今年は無傷の5連勝。レース史上最多のG1馬9頭がそろった一戦を制し、もう国内に敵はいない。今後は馬の状態次第で既に招待状が届いている香港国際競走(12月13日)への遠征も視野に入れている。香港マイルか香港C(2000メートル)が候補。ムーアは「体の形や持っているスピードからマイルがベスト」と話したが、師は「きょうのレースぶりなら距離への課題はなかったかと思うが、ジョッキーとも話したい」と速断を避けた。さらなる強敵を求めて舞台を海外へと移すのか?今後もモーリスから目が離せない。

 ◇モーリス 父スクリーンヒーロー 母メジロフランシス(母の父カーネギー)牡4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・北海道日高町戸川牧場 戦績12戦7勝 総獲得賞金3億1300万8000円。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月23日のニュース