【浜名湖・ダービー】デビュー22年目40歳・守田 SG78度目で悲願V

[ 2015年10月26日 05:30 ]

ダービーを制しファンの前で「ドラゴンボール」のかめはめ波ポーズをとる守田俊介

 浜名湖のSG「第62回ボートレースダービー」は25日、第12Rで優勝戦が行われた。1号艇の守田俊介(40=滋賀)が逃げ切ってSG初制覇。出場78回目、5回目の優出で夢をかなえた。優勝賞金3500万円を加算し、今年の賞金ランキングは6位に浮上。初めてのグランプリ(12月18~23日、住之江)参戦も決定的となった。2、3着には共にSG初優出の山田雄太(33=静岡)、原田篤志(35=山口)が入った。

 圧倒的なターンスピードとスタート力を備えた天才が、ついに頂点に立った。初めてSGの優勝戦1号艇をつかんだ守田。インからコンマ06のトップSを決めると、1M先マイで早々と決着。「インコースは自分との闘い。全速で最高のスタートが行けた。2Mを回って優勝を確信した」。影をも踏ませぬ速攻で、SG初制覇を達成した。

 思い起こせば今節は守田劇場だった。20日の選手紹介はトップバッター。「僕は無色透明なガリ」と謎掛けで繰り上がり出場の幸運を強調した。25日の優出者インタビューでは漫画「ドラゴンボール」の元気玉ポーズで会場を沸かせ、表彰式ではファンに向かって“かめはめ波”を発射。研ぎ澄まされた走りでオール連対にまとめた一方、陸の上では笑いを求め続けた。

 デビュー22年目、40歳2カ月で手に入れた栄冠。天才と呼ばれながら出世が遅れた理由は、おどけていたからではない。それは抽選運と調整力だろう。機歴を覆すパワーを引き出せず、舟足は常にエンジンなり。今節は2連対率46%の好調機を獲得できたことが最大の勝因だ。「今回は巡り合わせで優勝できただけ。僕は普通の人。これからもエンジン次第。急に超(スーパー)サイヤ人になったわけではない」。自らの弱点は重々、承知だ。

 それでも「夢」だったと語るSG制覇を成し遂げ、年末のグランプリ初参戦も当確。周囲の期待は自然と高まる。ただ、守田は「グランプリのことなんて何も考えてない」と言い放つ。賞金やダービージャケットに対しても「こんな大金をもらっても使い道に困る。でも、ダービーを優勝できて良かった。ちょうど冬物が欲しかったので」と守田節がさく裂した。滋賀のエンターテイナーが、佳境に入った15年のボート界で何をしてくれるのか。今後の動向から目が離せない。

 ◆守田俊介(もりた・しゅんすけ)1975年(昭50)8月12日、京都府生まれの40歳。滋賀支部。74期として94年びわこで初出走。同期は勝野竜司、石渡鉄兵、辻栄蔵ら。96年平和島タイトル戦で初優勝。03年びわこ近畿地区選手権でG1初優勝。通算成績4447戦1640勝。優勝79回(SG1、G1・3)。1メートル71、50キロ。血液型A。

 ◆次走 守田俊介、松井繁、石野貴之の次走は29日からのびわこG1びわこ大賞。今垣光太郎、池田浩二、峰竜太らと優勝を争う。山田雄太の次走は12月2日からのまるがめ一般戦。三角哲男、矢後剛、川北浩貴らが出場。太田和美の次走は11月4日からの宮島G1宮島チャンピオンカップ。田中信一郎、山崎智也、瓜生正義らが出場。原田篤志の次走は11月5日からの児島一般戦。前野竜一、三井所尊春、松村敏らとVを争う。

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