【菊花賞】菊2戦2勝内田、スティーグリッツでも“格”負けしない

[ 2015年10月22日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=21日】2冠馬ドゥラメンテ不在で混戦の菊花賞。スティーグリッツの手綱を握る内田がスタンドの片隅で胸に秘めていた勝算を口にした。「僕のもチャンスがない馬じゃないよ」。08年オウケンブルースリ、12年ゴールドシップで菊花賞2戦2勝のV請負人の感触。「前走は(菊花賞へ)楽しみを持てる勝ち方をしたから」と語って、スタンドから引き揚げようとするベテランに新人・高木が後ろを追って食い下がった。

 条件戦2連勝で挑む同馬は、G1どころか重賞舞台さえ踏んだ経験がないが、初コンビを組んだ前走のレースぶりがベテランをやる気にさせた。「古馬相手の2500メートル戦を力で押し切った。ゴール前で古馬(フジマサエンペラー)にかわされたのに、差し返すんだから大したもの。勝負根性がある」。九十九里特別V→菊花賞制覇は04年デルタブルースの前例もある。「この馬は折り合いに全く不安がない。3000メートルでは大きな強みになる」と続けた。

 そんな内田が唯一懸念するのが“格”だ。「馬は強い相手とぶつかると、瞬時にあいつには勝てないと判断してしまう面がある。人間と同じ。強豪校のピッチャーってだけで格負けして打てる気がしなかったでしょ?」と、高校時代に野球部だった高木に分かりやすく説明した。「そういう時は馬の意識を強い相手ではなく、騎手の方に向けさせる。向け過ぎても駄目。バランスが大事だ」と奥義の一端を口にする。

 「今年はこれっていう馬がそんなにいないな」。混戦の菊花賞。V請負人が不気味に笑った。

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2015年10月22日のニュース