【毎日王冠】ヒカリ重賞連覇!鮮やか圧逃劇ラスト3F34秒0

[ 2015年10月12日 05:30 ]

<毎日王冠>逃げ切りでレースを制した(13)エイシンヒカリ(右)

 「第66回毎日王冠」が11日、東京競馬場で行われた。先手を奪った1番人気エイシンヒカリが鮮やかな逃げ切り劇で、エプソムCに続く重賞連覇を達成。鞍上・武豊は昨年(エアソミュール)に続く同レース連覇で、JRA重賞通算301勝目。優勝したヒカリは天皇賞・秋(11月1日、東京)の優先出走権を獲得し、有力候補に一躍浮上した。

【レース結果】

 エイシンヒカリの逃走技術はひと夏を越え、さらに進化していた。大外13番枠から最初の1Fを13秒0とゆったり入ると、5F59秒9の絶妙逃げ。直線半ばでステッキは飛んだが、脚色は衰えない。2着争いを尻目に真っ先にゴールへ。ラスト3Fは11秒0~11秒3~11秒7の“精密機械”の測ったようなラップ。逃げ馬に3F34秒0で上がられたら他の12頭はお手上げだ。

 コンビを組んで3戦全勝の武豊は会心の笑顔。「今までとメンバーが違うのでどうかなと思っていたが、状態の良さは調教で分かっていた。戦法的にも迷いはなかった。スタートは凄く上手な馬。思った以上に折り合いがついた。直線も真っすぐ走ってくれたね」

 1年前。同じ東京のアイルランドTは勝つには勝ったが、外ラチ沿いにぶっ跳び、驚かせた。坂口師は「パドックはおとなしいけど、馬場に入ると急にうるさくなった。豊ジョッキーがうまく乗ってくれた」と鞍上に最敬礼。武豊は「イレ込みはきょうもひどくて、そのあたりの成長は感じなかった。その点が良くなれば」と精神面の改善を望む一方で「脚力は上がっている」と成長を認めた。

 これで9戦8勝。天皇賞・秋でも一躍注目の的。陣営は香港カップ(12月13日)の夢も膨らませている。先週3日のシリウスS(アウォーディー)でJRA重賞300勝のメモリアルVを飾ったばかりの武豊は「天皇賞となると、さらに相手は強くなる。距離も問題。展開もきょうみたいにうまくいくとは…。もう一段階、強くなっていかないとね」と冷静に分析する一方、きっぱりこう結んだ。

 「きょうは次につながる勝利だと思う」。重賞301勝の新たな一歩を刻んだJRA至宝と、好発進で応えたヒカリの名コンビ。トントン拍子の出世で、頂点を極めようとしている。

 ◆エイシンヒカリ 父ディープインパクト 母キャタリナ(母の父ストームキャット)牡4歳 栗東・坂口厩舎所属 馬主・栄進堂 生産者・北海道新ひだか町木田牧場 戦績9戦8勝 総獲得賞金1億9731万5000円。

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