【スプリンターズS】ストレイトガール突き抜けた!“ミラクルな勝利”

[ 2015年10月5日 05:30 ]

直線鋭く伸びてスプリンターズSを制したストレイトガール(右から3頭目)

 秋G1初戦の「第49回スプリンターズS」が4日に中山競馬場で行われ、直線鋭く伸びたストレイトガールが1番人気に応えてG1・2勝目。昨年2着の雪辱を果たすとともに、史上7頭目の古馬スプリント&マイルG1制覇を果たした。同馬はこれが国内最終戦。次走は引退戦となる香港スプリント(12月13日)で海外G1制覇を目指す。

【レース結果】

 下馬評通りの大混戦となった直線の攻防。馬群から猛然と抜けてきたのはストレイトガールだ。藤原英師は「どこから抜けてきたか分からないくらいだった。ミラクルな勝利」と表現。内めから馬場中央に持ち出すと鋭く伸び、内の馬をまとめて差し切った。

 スタート直後に他馬と接触して位置取りが後ろになったが、戸崎は慌てなかった。中団で流れに乗り、ロスなく直線へ。G1・5勝目を挙げた鞍上は「しまいは確実に伸びてくるという自信があった。ちょうどいいペースで手応えも抜群。自信を持って乗れた」と会心の笑みだ。

 春のヴィクトリアMで6歳牝馬として初のG1制覇を成し遂げた“最強熟女”が、今度は牡馬をも切り捨てた。これまでヴィクトリアM以外の8勝は1200メートル。戸崎は「ずっと1200メートルを走ってきた馬なので、この距離でG1を獲れてうれしい。素直で乗りやすくてどんな競馬でもできるセンスがある」と喜んだ。牝馬の古馬スプリント&マイルG1制覇はダイイチルビー(91年安田記念、スプリンターズS)以来2頭目。その偉業を6歳でやってのけた。師は「長年付き合ってじっくり仕上げてきた馬で勝てて幸せ。(6歳での活躍は)どの馬にもできることじゃない。個体自体が秀でている」と愛馬を称えた。

 藤原英厩舎はG1・7勝目だが、1番人気でのVは初めて。レース前、師はオッズを見て「1番人気はベルカントかあ」と悔しがったというが、直前に浮上した。レース後に1番人気だったことを聞くと「えっ!?1番人気でG1を勝つのが開業当時からの目標だった」と相好を崩した。

 次走・香港スプリントが引退レースとなる。昨年は3着。勝ち馬のエアロヴェロシティには春の高松宮記念(13着)でも敗れた。トレーナーは「日本に来てまでやられたから、何とか雪辱をと思っている。体調を整えて万全で行きたい」と決意表明。競馬史の常識を覆し続ける最強熟女には、あと一つ大きな仕事が待っている。

 ◆ストレイトガール 父フジキセキ 母ネヴァーピリオド(母の父タイキシャトル)牝6歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・廣崎利洋HD 生産者・北海道浦河町岡本牧場 戦績28戦10勝 総獲得賞金4億7354万7900円(戦績、賞金共に海外含む)。

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2015年10月5日のニュース