【京成杯AH】アルビアーノ 木村師、成長手応え「ひと回り大きく」

[ 2015年9月10日 05:30 ]

3頭併せで追い切るアルビアーノ(中)

 秋の中山開幕週のメーンでサマーマイルシリーズ最終戦「第60回京成杯AH」の追い切りが9日、美浦・栗東両トレセンで行われた。展開の鍵を握る3歳牝馬アルビアーノは降りしきる雨の中で高い集中力を見せ、併せた僚馬2頭を馬なりで一蹴した。

【京成杯AH】

 台風18号の影響で、美浦トレセンは朝から土砂降りの天気。薄暗いWコースでひときわの輝きを放ったのは、3歳牝馬アルビアーノだ。僚馬2頭との併せ馬は、内フレックスハート(5歳500万)を後ろに置き、外バルブランシュ(3歳500万)を1馬身追う形でスタート。集中力を欠きかねないぬかるんだ馬場でもしっかり折り合って、最初の陣形をキープし直線では手綱を押さえたまま。必死に追われた僚馬2頭を余力を持って振り切り、真ん中からグイッと半馬身先着した。

 6F88秒6~1F14秒2。動きを見守った木村師は「前の馬との距離感は想定通り。馬場が悪い中でも最後まで走り切った」と高評価。春はフラワーCで重賞初制覇を飾ると、NHKマイルCは牡馬相手に2着と奮闘した。勢いに乗って挑んだ前走の交流重賞・関東オークスは1番人気に推されたが、勝ち馬に3秒5も離された4着。初のダート、ナイター競馬、2100メートルの距離と不安材料は多かったが、師は「敗因はいまだにつかみ切れていない。ただマイルCの後は走るのを少し嫌がるところがあった」と分析。その上で「前走後は放牧先でも一日も休まずやってきて、ひと回り大きくなった。7月最終週から調子を上げて、今はきっちり動けている」と成長を感じ取っている。

 京成杯AHは新馬V以来の中山マイル戦。古馬とは初対戦になるが、自慢のスピードが生きる開幕週の馬場も追い風なら、ハンデ53キロも魅力。指揮官も「ハンデは正直恵まれた感がある。言い訳の利かない良馬場でやりたい。この馬はどこからでも運べる。控える競馬でも問題ない」と全幅の信頼を寄せている。

 最後は「重賞を勝った古馬もいるし、3歳でタイトルを獲った馬もいる。相手関係をリスペクトして、こちらは参加させてもらうという意識でいきたい」と謙虚な言葉で締めくくった師。現3歳世代はまだJRA古馬重賞を勝っていないが、世代屈指の機動力を誇るアルビアーノなら古馬を粉砕できるかもしれない。

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2015年9月10日のニュース