競輪王自殺 00年賞金王・児玉広志選手、ストーカー逮捕から1カ月

[ 2015年8月7日 05:40 ]

児玉広志選手(04年撮影)

 7月1日にストーカー規制法違反の疑いで逮捕された競輪の児玉広志選手(46)が死亡したことが6日、分かった。

 関係者によると、5日午後6時頃、香川県土庄町(小豆島)の一人暮らしの自宅の風呂場で、顔面が漬かった状態でいるところを知人が発見。すぐに通報したものの、2時間後に病院で死亡が確認された。香川県警は、事件性は薄く、自殺とみている。

 児玉選手は6月4~17日にかけて、群馬県在住の元交際相手の女性フリーアナウンサーの携帯電話に14回電話。「夜まで待っても連絡も来ない」「お互いに社会的信用はなくなるが、それでもいいと思っている」などメールを3回送信。既に5月に交際を解消していた女性が、群馬県警に相談し逮捕された。前橋区検は7月21日、脅迫の罪で児玉選手を略式起訴。同日、前橋簡裁が罰金30万円の略式命令を出していた。児玉選手の自宅には事件についてのメモ書きが残されていたという。

 児玉選手の生涯獲得賞金は11億4763万7732円。00年には競輪界最高峰のレース「KEIRINグランプリ」を制して賞金王に輝くなど、トップ選手として活躍。小柄な体格をガッツでカバーし、一流選手に上り詰めた。ハードな練習と研究熱心で知られ、「競輪博士」の異名を取った。一方、選手宿舎で冷蔵庫に向かって話しかけるなど奇人ぶりも選手間では評判になった。現在も上位から2番目にランクされるS級1班に在籍していた。

 逮捕後は斡旋保留処分でレースには出場しておらず、今月末に行われる斡旋規制委員会で復帰戦が決まることになっていた。7日の通夜、8日の葬儀・告別式は近親者だけで執り行う。

 ◆児玉 広志(こだま・ひろし)1969年(昭44)5月31日、香川県小豆島生まれ。90年に66期生としてプロデビュー。主なタイトルはオールスター(96、00年)、全日本選抜(97年)、寛仁親王牌(99年)、KEIRINグランプリ(00年)。通算成績は1625戦319勝。

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