【中京記念】伏兵スマートオリオン、スピード生かし重賞2勝目
「第63回中京記念」は関東馬スマートオリオン(牡5=鹿戸)がハンデ戦らしい大激戦を首差で制し、重賞2勝目を挙げた。2着にはアルマディヴァンが入り関東馬のワンツーとなった。
真夏のマイル戦を制したのは、スプリント路線から矛先を向けてきた5歳の関東馬だった。6番人気の伏兵スマートオリオンが好位追走から押し切って、14年オーシャンS以来2つ目の重賞タイトルを手にした。
日々変化する中京の難解な馬場を読み切り、味方に付けたM・デムーロの好騎乗が光った。表彰式を終えた殊勲の鞍上は「(13年12月以来)久しぶりに乗ったけど、やはりいいスピードのある馬でした。前走は千四で今回は千六だったけど、問題なかった。素晴らしいポジションに付けられたし、馬も頑張ってくれました」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。
決していいスタートではなかったが、軽く気合を付けられて2番手へ。向正面でメイケイペガスターが外から上がってきたが、決して力むことはなかった。3~4角は内から2頭目のポジションでロスなく運び、直線では馬場のいい三分所へ横移動。スタミナのロスを最小限に抑えた分、ゴール前の粘りが増した。
最後は馬が気を抜いたため、アルマディヴァンにクビ差まで迫られたが、着差以上の完勝だった。「前のレースで外に行って失敗していたし、内へ行ったんだ。内は悪いけど、その割にはスピードの出るコンディションだった。それに距離も今はマイルの方が合いそうだよ」。前走パラダイスS以外の5勝は全てスプリント戦(6F)の快速馬だが、ミルコはマイルへの路線変更を訴える。
福島競馬場でレースを見届けた鹿戸師も「千六、千八を走ったことがあるし、折り合えばマイルでも…と思っていた。まだ千二を使いたい気持ちもあるけど、体調を見ながら関屋記念(8月16日、新潟)を目標にしようと思います」と賛同。進む道は決まった。冬の夜空を彩るオリオンが、その名に反して夏のマイル王を目指す。
◆スマートオリオン 父グラスワンダー 母トロピカルレディー(母の父ウイニングチケット)牡5歳 美浦・鹿戸厩舎所属 馬主・大川徹氏 生産者・北海道日高町のいとう牧場 戦績23戦7勝 総獲得賞金1億8190万1000円。
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