【三国・オーシャンC】石野、完璧逃走!5年ぶりSG制覇

[ 2015年7月21日 05:30 ]

第20回オーシャンカップで優勝し、ファンの声援に応える石野

 SG「第20回オーシャンカップ」の優勝戦が20日、三国12Rで行われた。1号艇の石野貴之(33=大阪)がインから逃げ切って圧勝。10年オーシャンC以来5年ぶり2回目のSG制覇を飾った。賞金2500万円を獲得し、今年の賞金ランキングは3位に浮上。12月に地元・住之江で行われるSGグランプリの出場は決定的になった。なお、2着には田中信一郎(42)が入り、大阪支部によるワンツー決着に終わった。

 準優まで7戦6勝。圧倒的な舟足を武器に勝ち上がってきた石野が、ファイナルでも他を寄せ付けなかった。コンマ11のスタートを決めてスリットをトップ通過。1Mのターンについては「100点ではない」と苦笑いを浮かべたが、残る5艇を一瞬で置き去りにしてみせた。「差されたかと思ったがエンジンが良かったので差されなかった」。エース機33号の驚異的なパワーが、最後まで石野を後押しした。

 思えば、14日のエンジン抽選の時点で優勝は決まっていたのかもしれない。前検に乗った時の感触を「えぐかった」と振り返る。台風11号の接近により気象条件が日ごとに急変したが、超抜機には全く関係なかった。「良いエンジンだから調整の合う幅が広い。出力低減型とは思えない。選手をやめるまで持ち歩きたいくらい素晴らしいエンジン」。2度目の栄冠に導いてくれた相棒を絶賛した。

 だが、好エンジンとのコンビだからといって活躍が約束されるものではない。むしろエース機を獲得したプレッシャーに負け、惨敗する選手の方が多い。潜在能力を存分に発揮できたのは、SG初Vからの5年間で培った精神力があったからだ。「以前より集中力を持続できるようになった。今節も集中力を切らさずに走れた。目標の賞金6位以内を目指して、どんどん稼いでいきたい」。地元・住之江で行われるグランプリへ向け、さらなる精進を誓っていた。

 痛めていた右膝も、ほぼ完治している。「4月上旬に手術をして医者から“問題ない”と言われた」。唯一の不安要素であった古傷に、もう悩まされることもない。90期以降で初めて2つ目のSGタイトルを獲得した石野。「後続を突き放していく」の言葉通り、黄金ヘルメット戴冠まで歩みを止めることはない。

 ◆石野 貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭57)6月3日生まれ。大阪支部所属の33歳。02年5月住之江でデビュー。通算成績は2947戦880勝で今回が34度目の優勝となった。G1は07年新鋭王座で初V。4Vの実績を持つ。10年と14年にはグランプリに出場、ファイナルまで駒を進めている。同期に吉田拡郎、赤坂俊輔らがいる90期。

 ◆繰り上がり 石野のオーシャンC優勝により、丸岡正典(35=大阪)が8月25日から蒲郡ボートで開催されるSGメモリアルに出場する。

 ◆次走 石野貴之、菊地孝平の次走は28日からの浜名湖G1浜名湖賞。今村豊、池田浩二、吉田拡郎らと優勝を争う。田中信一郎の次走は8月1日からの桐生一般戦。打越晶、折下寛法、佐藤大介らが出場。前田将太の次走は24日からの福岡G1福岡チャンピオンカップ。浜野谷憲吾、井口佳典、茅原悠紀らが出場。川崎智幸の次走は24日からの徳山一般戦。日高逸子、倉谷和信らが出場。太田和美の次走は8月2日からの徳山G3企業杯。山崎智也、川上剛、篠崎仁志らとVを争う。

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