【函館記念】ダービーフィズ、壮絶叩き合い制し重賞初V

[ 2015年7月20日 05:30 ]

<函館記念>ゴール前でハギノハイブリット(内)と叩き合いを制したダービーフィズ

 サマー2000シリーズ第2戦「第51回函館記念」が19日、函館競馬場で行われた。中団インを進んだ3番人気ダービーフィズがハギノハイブリッドとの壮絶な叩き合いを制し重賞初制覇。今夏函館シリーズで19勝と絶好調の初コンビ岩田は5日のCBC賞(ウリウリ)に続く重賞Vで今年8勝目を挙げた。

 函館ファンも熱狂の叩き合い。最後にほほ笑んだのは絶好調男・岩田に導かれたダービーフィズだった。初騎乗とは思えない巧妙な立ち回り。スッと中団インを奪うと、3コーナーでスルスルと内から進出。先に動いたハギノハイブリッドを目標に一気にスパート。残り1Fからは壮絶なマッチレース。左ムチの連打に応えたフィズの頭が出たところが通算25戦目、悲願の重賞Vゴールだった。

 ひと仕事終えた岩田は会心の笑顔。「早めに先頭に立ちすぎて、差し返されそうになったが、何とかこらえてくれた」。土、日で5勝の荒稼ぎ。今夏函館シリーズで19勝(19日現在)とリーディング独走中の面目躍如だ。5F58秒6のオーバーペースで飛ばすマイネルミラノに惑わされず、ドンピシャの仕掛け。「先生(小島太師)からはスタートしてモタモタしたらダメと…。内枠(5番枠)だし、出して行った。前が残ると思ったので内を離れなかった。大逃げの馬?2着馬しか見えなかった」と冷静に振り返った。

 3歳時は菊花賞(16着)にも挑んだG1候補生。母マンハッタンフィズはG13勝馬マンハッタンカフェの全妹。統舎ゆかりの血統での美酒に小島太師は破顔一笑だ。「全てがうまくいった。馬場適性もあったし、ハンデ(54キロ)も。体を大きくしようと増やしてきた馬だが、今回は手加減せず攻めた。ジョッキーもこの馬の持ち味を引き出してくれたよ」。5歳夏にして初の北海道遠征。6キロ減で体を絞り、実績に乏しかった小回りにも機敏に対応させた。

 次走はサマー王者を懸けて、札幌記念(8月23日)へ。実は函館記念で凡走したら、裏街道!?の札幌日経オープン(同8日)も考えたという。「今夏は北海道に初めて来たので結果はどうあれ、次は札幌と思っていた。ここで好走したら札幌記念。ダメなら2600メートルかなと…」と指揮官。最高の答えを出し、胸を張って札幌に乗り込める。

 指揮官のオファーに応えた岩田は「厩舎サイドが大事に使っているのが分かる。まだ上を目指せる」と新パートナーを称えた上で「あと1週、精いっぱい頑張ります」と函館最終週の奮闘を誓った。

 ▽カクテル「ダービーフィズ」 競馬発祥の地である英国で生まれた。ウイスキーをベースに、オレンジキュラソー(オレンジの果皮で風味付けしたリキュール)、レモンジュース、シュガーシロップ、卵を加えてシェークし、最後にソーダ水で割って完成する。アルコール度数は10%台前半で、まろやかさと爽やかさを兼ね備えている。

 ◆ダービーフィズ 父ジャングルポケット 母マンハッタンフィズ(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 美浦・小島太厩舎 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績25戦5勝 総獲得賞金1億4194万1000円。

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