【三国・オーシャンC】17年ぶり地元開催 今垣、三度目正直へ充電完了

[ 2015年7月15日 05:30 ]

石川県能美市にある、なじみの居酒屋「一八」で乾杯。(左から)長女の李華さん、次女の葵香さん、母の喜美子さん、父で元ボートレーサーの武志さん、今垣光太郎、次男の光陽君、妻の円さん(長男の光貴君は円さんの陰に隠れています)

 今年のSG第4弾「第20回オーシャンカップ」は15日、福井県のボートレース三国で開幕する。地元の今垣光太郎(45)は長年、福井支部を支えてきた屋台骨。17年ぶりの三国SGとあって、そのボルテージは最高潮まで上がっている。F休みを有効に家族と過ごし、リフレッシュも完了した。今年はスポーツに新幹線と、北陸地方が注目を集める一年。この追い風に乗って、悲願の地元SG制覇へ突き進む。

 石川の星稜が1月の全国高校サッカー選手権を優勝。3月には福井の敦賀気比が春の甲子園を制覇。さらに東京から富山、金沢を結ぶ北陸新幹線が開通した。そう、今年はまさに北陸の年。ボート界でも北陸地方で唯一のレース場、三国で17年ぶり3回目のSGが開催される。

 「地元が注目されるのはうれしい。金沢は落ち着ける良いところだし、北陸は食べ物が一年中おいしい。東尋坊の岩ガキに、三国の花らっきょう。それに甘エビも有名。日本酒だって、オススメがたくさんある。北陸の勢いに乗って、三国で結果を出したい」

 こう語る今垣は1カ月の充電期間を経て、万全の状態で地元SGに臨む。F休みだった6月は、石川にあるミニボートピア津幡でトークショーに参加。地元ファンと触れ合った。さらに家族との貴重な時間を過ごし、十分に英気を養った。なじみの小料理屋で久々の外食。近場の山代温泉にも一家で足を運んだ。「家族と一緒にいる時間は本当に癒やされる。子供は上から順に癒やしになってくれたが、今は最も話してくれるから光陽(こうよう)が一番かな」。末っ子になる次男を抱きしめ、戦いの場では見せることのない笑顔で語った。

 95年メモリアルと98年オーシャンC。過去に三国で行われたSGは共に参戦したが、どちらも予選落ち。準優にも進めなかった。「地元でSGを優勝するのは夢。次に三国にSGが来た時に自分が現役でいられるか分からない。今回が最後の地元SGだと思って行く」。三度目の正直に向け、不退転の決意を持って挑む。

 悲願成就への第一関門、エンジン抽選では2連対率41%の29号機を獲得。「とにかく悪いエンジンだけは引きたくなかった。勝率があるし感触も悪くない。前検としてはホッとしている」。まずは無事にクリアしたとみていい。S練習後は、ギアケースとエンジン本体を入念にチェックした。そこに温和な父の表情はない。完全に勝負師のスイッチが入った。

 6号艇で臨むドリーム戦も、コース取りから仕掛ける構えだ。「80~90メートルの4コースになるか、100メートルのアウトになるか…。普通の進入をする気はない」。17年も心待ちにしていた地元のひのき舞台で、初戦からイチかバチかの勝負に打って出る。

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