【マーメイドS】伏兵シャトーブランシュ、鬼脚爆発で悲願の重賞初V

[ 2015年6月15日 05:30 ]

混戦を制したシャトーブランシュ(手前)

 阪神メーンの牝馬重賞「第20回マーメイドS」は8番人気シャトーブランシュが鮮やかな大外一気でV。デビュー22戦目で悲願の重賞初Vを飾った。

 内枠からロスなく立ち回った藤岡康の好プレーが光った。8番人気シャトーブランシュは2番からのスタートで、道中は後方3番手で脚をため直線勝負に懸けた。前半5F通過は61秒5の緩い流れ。それでも鞍上に焦りの色はなかった。

 ようやく手が動いたのは3角すぎ。直線は団子に固まった内側の馬群を避けるように、馬場のいい大外に持ち出し右ステッキを飛ばす。一完歩ごとに差を詰めると、ゴール前で先に抜け出したマリアライトを3/4馬身差捉えた。鞍上は昨年のディアデラマドレに続く連覇。殊勲のジョッキーは涼しい表情で振り返る。

 「厩舎の方がしっかりと仕上げてくれていたし、返し馬から雰囲気が良かった。枠もいいところでしたし、有力馬を前に見ながら終始いいリズムで運べた。4角での感触も良く、最後は期待通りの脚でしたね」

 昨年2月末で定年引退した清水出厩舎からの転厩馬。昨年の愛知杯0秒3差4着、今春の中山牝馬S0秒4差5着とタイトルにあと一歩及ばなかった。高橋忠師は体質改善を一番の重点に置き、焦らず馬の成長を促してきた。カイバ食いが安定してからは徐々に調教を強化。この中間はこれまで坂路中心だったメニューから、トラックコース中心に変更。長めからしっかりと負荷を掛けて鍛え上げる“勝負仕上げ”で臨んだ。高橋忠師は笑顔で回顧する。

 「内蔵面が強くなってカイバ食いが安定してきた。暖かい季節なのが良かったのかもしれないね。馬のパフォーマンスが上がっていたし、本当に最後はいい脚でした」

 指揮官にとって初めての芝重賞制覇。賞金を加算して今後はレースの選択肢は広がった。「脚元のこともあるし、今後はオーナーと相談してから」と同師。大舞台に向けて収穫の大きい1勝になった。

 ◆シャトーブランシュ 父キングヘイロー 母ブランシェリー(母の父トニービン)牝5歳 栗東・高橋忠厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦4勝 総獲得賞金1億2032万7000円(戦績、賞金共に地方含む)。

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2015年6月15日のニュース