【オークス】ルージュの反撃、燃える本能!上がり重視“柔らか仕上げ”

[ 2015年5月21日 05:30 ]

桜花賞の雪辱必ず!!併せ馬で追い切るルージュバック(左)

 ルージュ、逆転戴冠へ万全!牝馬クラシック第2戦「第76回オークス」の追い切りが20日、東西トレセンで行われた。美浦では桜花賞9着から巻き返しを期すルージュバックが前2戦と違い、上がり重視の“柔らか仕上げ”で鋭く先着。17日のヴィクトリアマイル優勝(ストレイトガール)で勢いに乗る主戦・戸崎も「あとは僕次第」とリベンジに燃える。同レースは21日、枠順が確定する。

【オークス】

 今までの「動」から「静」へ。反撃を期すルージュバックには細やかな配慮が払われていた。桜花賞同様、Wコースで併せ馬の最終メニュー。しかし、スタンド前をゆったりと折り合って流すルージュのピッチは上がらない。前を行くダノンウルフ(3歳未勝利)は10馬身以上も前にいた。

 「追いつくのか?」

 案じることは何もなかった。残り4Fでようやくペースが上げた時、まだ5馬身差。直線で内に進路を取ると、体全身を使って一気にスパートした。手綱を押さえたままで1F12秒1!!内から、豪快に半馬身先着した。

 大竹師は穏やかに切り出した。「全体の時計は求めずに、最後の3Fをどういう反応で上がって行くかを見た。コントロールに関しては今まで以上。その分、最後のはじけ具合が良かった。ゴーサインを出すまでもなく、自らはじけてくれた」

 確かに実質、時計になったのは4F(52秒6)だけ。きさらぎ賞や桜花賞(別表)のような派手な全体時計ではなかった。でもOK。静かなリハには意図があった。桜花賞9着後は約1週間美浦で疲れを取り、ノーザンファーム天栄(福島県)へ。放牧先で追い切り5本。先週12日の帰厩後は2本。放牧先で何度も視察した指揮官は「馬が自ら走りたいという気持ちをもう一回呼び起こすような調整。天栄にいた時のルージュは目の輝きに活気があり、とても良かった。桜花賞で負荷をかけたので、ギリギリまで向こうにいた方がいいと判断した」と説明。実戦モードから遠ざけ、美浦での滞在を最小限にした効果が動きに直結した。

 単勝1・6倍の圧倒的1番人気に推された桜花賞は思わぬスロー。自慢の末脚は不発に。「敗因を1つに求めるのは厳しいが、大きな原因としては僕自身の経験不足。(最終追いで)雨で手綱が滑るトラブルすらコントロールができなかったのは僕のミス」と師は一身に責任を背負い、制御が利いたこの日の好追い切りにつなげた。

 デビュー3連勝の剛脚は幻ではないはず。東京では昨秋、百日草特別でレコードVの実績もある。「実戦で彼女の背中を知っているのは彼しかいない。桜花賞より、レース条件もいい。僕の仕事はきっちりできたと思う」と、指揮官はヴィクトリアマイル優勝(ストレイトガール)で勢いに乗る戸崎に託した。秋の仏G1・凱旋門賞に予備登録を済ませた東のスター候補。桜の雪辱はホームで果たす。

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2015年5月21日のニュース