【天皇賞・春】ゴールドシップV!横山典が“三度目の正直”導いた

[ 2015年5月4日 05:30 ]

三度目の正直だ!フェイムゲーム(右奥)の猛追をしのぎ、悲願の天皇賞制覇を果たしたゴールドシップ

 “三度目の正直”だ――。伝統の長距離G1「第151回天皇賞・春」が3日、京都競馬場で行われた。2番人気のゴールドシップはここ2年(5→7着)人気を裏切っていたが、名手・横山典弘(47)の好リードに導かれて念願のタイトルを獲得した。また、1番人気に支持された2年前のダービー馬キズナは直線で伸び切れず7着に敗れた。

【レース結果】

 ゴールドシップが3200メートルの距離を人馬一体となって16頭をのみ込んだ。再コンビを組んでのV。引き揚げてくる馬上で横山典はその達成感たっぷりに両手を合わせて天を仰いだ。

 スタート後は行き脚がつかず最後方の位置取り。1周目のスタンド前で前にいたキズナを外からかわすと徐々にポジションを上げ、ライバル勢をパスしていく。向正面。残り1100メートル付近で横山典の手が動いた。そのサインにシップも応える。一気に加速して3、4番手まで浮上。直線は鞍上の左ステッキに応え、ラスト50メートルで粘り込みを図るカレンミロティックをかわしてゴールに飛び込んだ。

 「最後は外からフェイムゲームが来ていた。しのいだと思ったが、確信はできなかったからね。(勝ったと分かって)ホッとした」

 過去2回は人気を背負いながらも5→7着に敗れた鬼門のレース。この日も順風満帆の“船出”ではなかった。スタート前には何度も尻っ跳ねしてゲート入りをゴネた。最後には目隠しして何とかゲートイン。それでも、鞍上は「一筋縄でいかないのが彼らしい。スタートして行けたら行こうと思っていたが、やっぱり行けなかったな」と笑った。

 過去に3度コンビを組み、この中間も2週連続で栗東で調教に騎乗。何度もコミュニケーションを取り、相棒との距離を縮めた。

 「誰が乗っても走る馬じゃないからね。ただ追えばいいわけじゃなく、折り合えればいいわけでもない。自分の腕を試せる。こういう馬は乗っていて面白い」

 3度目の天皇賞参戦は鞍上からの進言で実現した。前哨戦の阪神大賞典で3連覇を飾った後、右前脚の蹄球炎が判明。当初は回避する予定もあった。横山典は「(天皇賞を)使わないという話だったが“秘策があるから”と言って口説いたんだ」と明かす。鞍上は道中のどこかでハナに立ち、押し切る競馬をイメージしていた。「いつも馬に“お願い”するが、少しゲキを飛ばした。あの馬の能力を出せて良かったよ。ホッとしている」と安どの表情。

 これでG1は4年連続Vとなる6つ目のタイトル。ジャスタウェイ(13年秋)に続く天皇賞制覇を飾った須貝師は「名誉あるレースを勝てて感謝している」と満面の笑み。今後は上半期の最大目標である宝塚記念(6月28日、阪神)3連覇を目指すが、指揮官は「ゲート再審査になると思うし調整が難しい。(宝塚は)その辺を踏まえてやっていきたい」と慎重に話した。昨秋に挑戦した凱旋門賞についても「登録するかも含めてオーナーと相談したい」と保留。いずれにしても、国内最強を証明したゴールドシップの新たな“航海”は視界良好だ。

 ◆ゴールドシップ 父ステイゴールド 母ポイントフラッグ(母の父メジロマックイーン)牡6歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・小林英一HD 生産者・北海道日高町出口牧場 戦績25戦13勝 総獲得賞金13億9776万7000円(戦績、賞金共に海外含む)。

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