【フローラS】ディアマイダーリン“牝馬の菊沢”絶賛「心肺機能が凄い」

[ 2015年4月22日 05:30 ]

菊沢厩舎の期待を背負うディアマイダーリン

 東京競馬開幕週のメーン「第50回フローラS」(26日、3着までオークス優先出走権)で台風の目になるのがディアマイダーリンだ。「牝馬の菊沢」の異名を取る菊沢隆徳調教師(45)が絶賛する素質で樫の女王に名乗りを上げる。

【フローラS】

 うっすらとアバラの浮く馬体に菊沢師が優しい視線を注ぐ。「フラワーCのときに比べて無駄肉が取れて、だいぶすっきりしてきたでしょう?」。ディアマイダーリンの坂路調教を見届けると、こう続けた。「冬場に無理して絞らなくても暖かくなれば自然とすっきりしてくる。それまでは息をつくっておけばいいんです。特に牝馬は繊細だから…」

 誰が名付けたのか“牝馬の菊沢”。騎手時代(88~10年)にはプレイリークイーン(96年中山牝馬S)、エイダイクイン(98年クイーンC)などで重賞制覇。現役最後の重賞勝ちも06年フローラSのヤマトマリオンだった。調教師としても牝馬のイメージが強い。11年の開業初出走馬がエイダイクインの子エイダイポイントなら、平地重賞初勝利もウキヨノカゼ(13年クイーンC)。現管理馬47頭のうち牝馬が27頭を数える。「牝馬の菊沢ですか?調教が緩いのがいいのかな」と同師は笑うが、牝馬調教の勘所は押さえている。「メンタル面を大事にしながら仕上げていく。そのさじ加減ですよ」。ディアマイダーリンの1週前追い切り(16日)は併せ馬を避けて、単走で行った。「併せた方が動くが、スイッチが入ってしまう」。牝馬調教のさじ加減に抜かりはない。

 そんな同師にとってもディアマイダーリンは際立った3歳牝馬だ。「心肺機能が凄い。昨春の入厩時にWコースで15~15(1F15秒の強めのキャンター)をやってもフーとも言わなかった。心肺はこの世代でもかなり上の方でしょう」。ハーツクライ産駒とあって2歳時はスタートダッシュが利かないほど後肢が緩かった。そこで後ろからソロッと行く競馬を続けて、未勝利、赤松賞を連勝。いずれも最速の上がりだった。

 前走・フラワーCでは追い込んで3着。「先行馬に有利な展開だった。久々でもよく走っている」と振り返る。舞台は2戦2勝の東京へ。「調教でも手前(軸脚)がスムーズに替えられないほど不器用。広い東京コースに替わるのはプラスです」。福島牝馬Sには重賞連続3着のパワースポットがスタンバイ。今週のキーワードは“牝馬の菊沢”だ。

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2015年4月22日のニュース