【大阪杯】ラキシス大金星 JRAのルメール、初勝利が重賞!

[ 2015年4月6日 05:30 ]

大阪杯を快勝で制し、JRA所属となってから初めての勝利を手にしたラキシスの鞍上ルメール

 今秋、凱旋門賞挑戦を目標に掲げるキズナが出走することで注目を集めた「第59回大阪杯」が5日、阪神競馬場で行われた。そのキズナは直線伸びを欠きまさかの2着。完勝といえるレース内容で大金星を挙げたのは4番人気のラキシスだった。鞍上は今週JRAデビューを飾ったC・ルメール(35)。同期のM・デムーロが先月のデビュー週に阪急杯(3月1日=ダイワマッジョーレ)を勝ったが、こちらもデビュー週に重賞を制して名腕ぶりをみせつけた。

【レース結果】

 キズナの連覇を阻んだのはラキシス。馬の力に加えて今週からJRAジョッキーとして“デビューした”ルメールの手綱さばきが大きかった。

 スタート後、折り合いに専念して後方待機。ゼロスの逃げは前半5F通過1分1秒1と不良馬場では速い流れ。ラキシスは徐々にポジションを上げ3角すぎからスパートする。4角で外から追い上げるキズナを横目に鞍上はムチを飛ばした。一度はキズナにかわされたものの、坂下から持ち前の勝負根性を発揮して最後はキズナを2馬身差突き放してゴールした。これがJRA移籍後初勝利となったルメールは喜びをかみしめつつレースを振り返る。

 「ペースが速かったので後ろのポジションを取った。4角での手応えが良く、後ろからキズナが来たときはヒヤッとしたが、直線で相手と同じペースになったので勝てると思った。馬場とペースが彼女を助けてくれました」

 まさに、みそぎの一戦。JRA騎手として先月1日にデビュー予定だったが、調整ルームでの携帯電話使用で30日間の騎乗停止処分を受けた。1カ月遅れのデビューとなった土曜は3鞍に騎乗して4、3、5着と有力馬に騎乗するも結果を残せなかった。だが、デビュー2日目、重賞という大舞台で結果を出すところが一流の証だ。「この1カ月間はレースをテレビで見ていた。気持ち的にあせるというか、自分自身に腹が立った。きょうの勝利は本当にうれしいです」と謙虚な姿勢で喜んだ。

 角居師も人馬一体の走りを絶賛する。

 「こんなに強いとは思わなかった。追い切りでジョッキーがまたがったときに掛かり気味だったので、レースは用心して(後ろから)乗ったんじゃないかな。さすがですね」

 出走権を獲得した天皇賞・春(5月3日、京都)について角居師は「選択肢としてある。オーナーと相談して決めたい」という。キズナを破り、まさに絶頂期を迎えたラキシスの進撃は、性別の壁も距離の壁も越えて盾まで撃ち抜くかもしれない。

 ◆ラキシス 父ディープインパクト 母マジックストーム(母の父ストームキャット)牝5歳 栗東・角居厩舎所属 馬主・大島昌也氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績13戦5勝 総獲得賞金2億7938万6000円。

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