【大阪杯】スピルバーグ、Vで英遠征へ弾み 藤沢和師「実にいい体」

[ 2015年3月31日 05:30 ]

英国遠征に向けてタフさが増したスピルバーグ

 昨秋の天皇賞馬スピルバーグVS一昨年のダービー馬キズナが対決――今週の阪神メーン「第59回大阪杯」はG1馬7頭が出走する豪華G2。中でも6月に英国遠征を控えるスピルバーグと、秋に凱旋門賞再挑戦を掲げるキズナのレースぶりには注目。東の名門・藤沢和師が送り込む晩成の大器が本格化ぶりを見せつけるのか、はたまた昨年の覇者が連覇を飾るのか!?

【大阪杯】

 6月の開花に備えてつぼみを膨らませるハナショウブ。その色とりどりのつぼみが彩る馬道に金文字のG1ゼッケンが誇らしげに揺れている。「張りがあって、実にいい体つきになった」。スピルバーグに視線を向けながら藤沢和師が満足そうに口火を切った。

 阪神競馬場を皮切りに地球を1/4周、約1万キロ離れたロンドン郊外のアスコット競馬場へ。英G1プリンスオブウェールズS(6月17日、芝2000メートル)までの2カ月半を乗り切るエネルギーが充満した馬体。6月に英国でG1の花を咲かせようと、ハナショウブのつぼみのように膨らませてきた。

 昨年のジャパンC3着後は1月まで放牧で完全休養。「JRAの売り上げで暮らしてるんだから暮れのグランプリを盛り上げなきゃ」と語ってきた同師が、有馬記念に登録さえしなかった。全ては英国遠征にエネルギーを蓄えておくため。2月のトレセン帰厩後は糸を紡ぐように丹念に調教を重ねてきた。

 25日の1週前追い切りでは坂路でロサギガンティア(マイラーズC出走予定)の2馬身後方から、覇気に満ちたストライドを繰り出して併入。4F52秒9~38秒8~1F13秒1。「おっとりしていて、調教ではあまり走らない」(同師)という気性にしては速い時計だ。手綱を取った主戦・北村宏は「機嫌も悪くないし、凄くいい雰囲気です」と馬上からスタッフに笑顔を向けた。

 「昨春までは競馬を使った後に疲れが出てしまい、次の予定が立てられなかった馬。でも、夏を境に丈夫になった。次の計算ができる」と藤沢和師は明かす。渡英前に大阪杯を挟むのは次の計算ができるほどタフになったからだ。「ラストの脚で勝負する馬。内回りコースはベストとは言えないが、阪神の馬場は上がりがあまり速くならない」。時計のかかる舞台でイスラボニータ、キズナなどの強豪相手に末脚勝負を挑ませる同師。

 「その後に挑む英国の2000メートル路線は世界最強レベル。(G1・10勝を挙げた)フランケルの弟(英チャンピオンS優勝ノーブルミッション)も出てくるようだ」。大阪の陣の先にハナショウブのつぼみが開く6月の英国を見据えた。

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2015年3月31日のニュース