【中山牝馬S】バウンスシャッセ、馬群割り強襲!1年ぶり勝利

[ 2015年3月16日 05:30 ]

バウンスシャッセ(右)がアイスフォーリスとの叩き合いを制し1着でゴール

 「第33回中山牝馬S」はバウンスシャッセが、昨年のフラワーC以来、約1年ぶりの復活Vを飾った。

 初コンビの田辺が確信に満ちた表情でバウンスシャッセと共に脱鞍所へ引き揚げてきた。「女馬らしくないどっしりと構えた性格。道中も抜群の手応え。ヴィクトリアマイルも当然、視野に入る馬」。手綱を握った手のひらに残るG1級の感触。辛口で知られるヤングジョッキーが思わず頬を緩ませた。

 昨年のフラワーC以来1年ぶりの勝利。長いトンネルを抜け出すように、524キロの巨体がすさまじい脚取りで中団馬群を割った。内で粘るアイスフォーリスを力任せに首差ねじ伏せた。「2着かと思ったが、ゴール前でグッと来て、強い競馬だった」と藤沢和師。急坂を上りきり、最も苦しくなるゴール前で繰り出した最後の強烈な1完歩。完全復活を告げるV走だ。

 昨春は皐月賞に出走したほど素質を高く評価されていた。オークスでは直線で進路をふさがれながらヌーヴォレコルト、ハープスターと接戦の3着。だが、その後はアクシデントに泣かされた。函館記念は当日にまさかの発情。紫苑Sは不良馬場にのめり続け、愛知杯も道悪。掛かり癖まで露呈した。併せ馬で意図的に遅れたままゴールさせる。藤沢和流の調整で掛かり癖を封印し、復活に手応えをつかんで送り出した。

 「愛知杯では速い流れでもついていくスピードを見せた。マイルにも対応できるだろう」と師。今後はヴィクトリアマイル(5月17日、東京)直行か、福島牝馬S(4月25日)を挟む予定。バウンスシャッセ(弾むように踊る)の名にふさわしい脚取りは、G1の夢を広げる。

 ◆バウンスシャッセ 父ゼンノロブロイ 母リッチダンサー(母の父ホーリング)牝4歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績12戦4勝 総獲得賞金1億1528万3000円。

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2015年3月16日のニュース