【中山牝馬S】ケイアイエレガント 4頭目偉業“牝馬S3冠”へ

[ 2015年3月10日 05:30 ]

昨年の福島、前走の京都に続く“牝馬S3冠”に挑むケイアイエレガント

 今週の中山メーンは「第33回中山牝馬S」。ケイアイエレガントが牝馬3冠ならぬ“牝馬S3冠”に挑む。前走・京都牝馬Sを鮮やかに逃げ切り、昨年の福島牝馬Sに続く重賞2勝目。6歳を迎えても持ち前の先行力に陰りはない。86年以降では4頭目となる「牝馬S」3勝の偉業に向け、ここも先行あるのみだ。

【中山牝馬S】

 円熟期と言うべきか。ケイアイエレガントは6歳を迎えても元気いっぱいだ。初の関西圏への遠征だった前走・京都牝馬Sをまんまと逃げ切りV。「牝馬はこの年齢になると気持ちがなえる馬もいるが、中山金杯の頃からいい頃の人を威嚇するような面が出ていた。これなら今年一年は大丈夫だなと思ったんだ」と尾形充師。復調を感じ取っていたとあって、してやったりの表情だ。

 重賞2勝は共に逃げ切り。昨年ヴィクトリアM(6着)では好位から見せ場をつくったが、師が「逃げなければ駄目というわけではないが、出入りの激しい競馬は好きではない」と話すように理想はスムーズな先行だ。520キロ前後の牝馬離れした好馬体。別定戦の京都牝馬Sで56キロを克服しており、トップハンデ56キロも大きな不安材料にはならない。

 春の最大目標はもちろんヴィクトリアMだが、叩き台の意識は全くない。4日の1週前追い切りはWコースで強めに追われ、5F69秒7~1F13秒0。「まだ多少重いけど、あと1週あるからね。もうそんなにレース数は使えないから一戦一戦が勝負。ここを使ってヴィクトリアMで、という気はない」と師はキッパリ言い切る。

 中山牝馬Sには偉業も懸かる。現在行われている「牝馬S」は京都、中山、阪神、福島、府中の5つ。86年以降で古馬の異なる「牝馬S(特別)」を3勝したのはノースフライトなど3頭しかいない。競馬場ごとに求められる適性も違うだけに至難の業といっていい。エレガントは中山芝で2勝を挙げており、昨年の中山牝馬Sは2着。師は「どちらかといったら得意な方」と手応えを示した。

 「相手がどうとか考えても仕方がない。自分の競馬をするだけ。騎手も差されたらしようがないという気持ちで乗れるんじゃないかな」と師。偉業へ真っしぐら。個性派熟女の走りが注目される。

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2015年3月10日のニュース