【弥生賞】サトノクラウン重賞連勝!無敗で皐月の主役に躍り出た

[ 2015年3月9日 05:30 ]

無傷の3連勝で弥生賞を制した(4)サトノクラウン(左手前)。右端が強烈な末脚で2着に食い込んだ(5)ブライトエンブレム。左から3頭目は3着(2)タガノエスプレッソ

 皐月賞トライアルの「第52回弥生賞」が8日、中山競馬場で行われた。2番人気のサトノクラウンが直線力強く抜け出して快勝、東スポ杯2歳Sに続く重賞2勝目をもぎ取り、無傷の3連勝で皐月賞(4月19日、中山)の主役に躍り出た。2着ブライトエンブレム、3着タガノエスプレッソまでが皐月賞の優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 ゲートが開いて課題のスタートを難なくクリアしたサトノクラウン。「前走で失敗したゲートさえ決めればと思っていた」と鞍上の福永が振り返ったように勝負はもう、そこで決まっていた。

 中団でスムーズに折り合って直線へ。手綱からゴーサインを出すと瞬く間に馬群から抜け出した。坂上の左ムチ一発で一気にギアチェンジ。大外からブライトエンブレムが襲いかかったが、クラウンの脚色も衰えることなく1馬身半の差をつけてゴールに飛び込んだ。デビューから3戦3勝、01年アグネスタキオン、05年ディープインパクトに並ぶ最少キャリアで弥生賞を制した。

 新馬以来のコンビ結成となった福永。1週前には美浦に駆け付けて調教とゲート練習を行い、感触を確かめた。「操縦性も完成度も高く、何も言うことがない馬。修正すべき点も何も見当たらない」と満足顔。新馬でまたがった際に「これはG1を狙える馬だと思った」と振り返ったが、その直感は早くも確信に変わった。

 13年1歳セレクトセールで里見治オーナーに6090万円(税込み)で落札された。億超えの良血馬を次々と競り落とす同オーナーの所有馬としては、決して高額ではない。それでも、「凄くいい馬だと思った」(オーナー)とライバルに譲らず競り落とした。牡馬クラシックは菊花賞のサトノノブレスの2着が最高。「次もチャンスはあると思う。楽しみだね」と悲願へ胸を高鳴らせた。

 次は皐月賞。福永は共同通信杯を制したリアルスティールもお手馬で「今の段階では(どちらに乗るか)言えない」とコメント。現段階では鞍上は未定となっているが、この能力ならばパートナーは誰であろうと関係ない。戦国模様の牡馬クラシック戦線に誕生した新たな主役候補が、堂々と1冠獲りへ挑む。

 ◆サトノクラウン 父マルジュ 母ジョコンダ2(母の父ロッシーニ)牡3歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・里見治氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金9223万9000円。

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