外国人騎手のJRA加入、賛否両論も…勢力図変わり若手の刺激に

[ 2015年2月27日 09:26 ]

JRA所属の外国人騎手として3・1にデビューするM・デムーロ(左)とルメール

 世界トップレベルの外国人騎手2人がJRAに加入したことが、日本競馬界全体の技術向上につながるのは確かだ。一方で若手騎手らにとっては2人に流れる騎乗数などが死活問題となり、関係者の間でも賛否両論の声がある。ただ、世界のスポーツに目をやれば、野球・サッカーなど一流の外国人が日本に流入するのは時代の流れ。ハーツクライやダンスインザダークなど幾多の名馬を送り出した橋口師がこう話す。

 「彼らは日本をしっかりと理解して、気持ちから日本人になりきっている。誠実さがあって騎乗技術も高く、日本のホースマンたちは彼らを認めている。勝負の世界で“きれいごと”は通用しない。今回でジョッキーの勢力図は変わってくる。若手にとっていい刺激になってくれれば」

 ルメールはハーツクライとのコンビで05年の有馬記念に参戦。意表を突く積極策でディープインパクトを撃破した。「彼は過去10年のレースをビデオでさかのぼって見ていた。中山は特異な舞台だが、あえて指示は出さなかった」。続く06年にはドバイシーマCでもハーツを勝利へと導いた。「身体的な柔軟性もあるが、考え方も柔らかい」とトレーナーは振り返った。

 昨年引退したジャスタウェイが、年間レーティング1位を守り、日本馬として初めて世界No・1ホースになった。「昔の日本競馬は賞金だけが高くて、中身が伴っていなかった。今は世界に肩を並べている」。世界的な名手をJRAが受け入れたことで、今後は世界のホースマンたちも日本を見る目が変わってくるはずだ。

 橋口師は若手騎手への提言も忘れない。「彼らは母国の生活を捨て日本へ来た。技術もそうだがハングリー精神をもっと見習ってほしい」と語り、活躍の場を確保するべく「若手騎手限定競走の拡大を」とも訴えた。3月1日は転換期を迎える日本競馬の“未来の姿”―その第一歩となる。

続きを表示

2015年2月27日のニュース