鈴木康師、最後まで馬優先「わが競馬人生に悔いなし」

[ 2015年2月27日 05:30 ]

鈴木康師

 鈴木康師が馬道の出口で管理馬の歩様を見つめている。「いい気合乗りだ」、「ちょっと硬いな、無理するな」。普段通りスタッフに声を掛けた。「ついにラスト3日。早いものだな」。報道陣の輪に入ると、少しだけ寂しそうに笑った。

 ハイセイコーを育てた父・鈴木勝太郎調教師の後継として開業したのは76年。G1タイトルこそ縁がなかったが、ダイナフェアリーなどでJRA重賞通算27勝を挙げた。日本調教師会長も務め、厩舎改革に尽力した。「人の都合ではなく、馬の体調に合わせて出走させるべきだ」。期待馬アデイインザライフを自らの引退に合わせず充電に専念するなどポリシーを最後まで守り続けた。

 調教師生活最後の28日はトーセンハルカゼの出走する阪神競馬場で迎える。「やり残したことはない。わが競馬人生に悔いなし」。調教師39年の長い道のりを静かに振り返った。

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2015年2月27日のニュース