「日本は第二の故郷」ルメール“和”をもって夢の凱旋門賞制覇を

[ 2015年2月25日 09:00 ]

C・ルメール騎手

 クリストフ・ルメールは99年にフランス騎手免許を取得。間もなく頭角を現し、03年にG1パリ大賞を制して仏リーディング7位へ躍進するなど、順調に実績を積み重ねてきた。

 活躍の場は国内だけにとどまらず、02年から短期免許を取得して来日。以来、13年間毎年日本での騎乗を続けた。05年の有馬記念では追い込み脚質だったハーツクライを先行させる“頭脳プレー”で3冠馬ディープインパクトを封じて初重賞VをG1制覇で飾った。来日時“大仕事”をやってのけることでファンにもなじみ深い。

 「日本の競馬はハイレベル。世界で一番だと思っている。JRAが外国人騎手に門戸を開くと聞いたときに(新規騎手免許試験の受験を)決めた。自分には経験があるので、それを日本のファンにお見せしたい」

 初来日以来G1・5勝を含むJRA重賞18勝の活躍。日本での活躍も一因となり、10年からは4年間にわたり世界的なオーナーであるアガ・カーン殿下の主戦を務めた。

 「日本は第二の故郷」と語る親日家で、日本人騎手との親交も深い。中でも藤岡佑は13年4月から約半年間のフランス武者修行をした際「住むところをサポートしてくれた」という。単身で異国の地で奮闘する若武者を全面的にバックアップ。「紳士的で他人のことを考えて行動できるジョッキー。騎乗技術を含めて尊敬しています」。ルメールは他人を思いやる“和”の心を持っている、という。彼がJRA新規騎手免許試験を合格した際、藤岡佑は歓迎の意味を込めて特製キャップを贈った。「スポーツの世界で一流の外国人が日本で活躍するのは当然。負けないように頑張りたい」と藤岡佑は決意を新たにする。

 ルメールは残りの騎手人生を日本で勝負する。「僕自身まだ勝ったことがないので日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい」。来月1日、新たなスタート地点に立つ。

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2015年2月25日のニュース