【フェブラリーS】コパノリッキー、豊で史上初連覇!さすが横綱相撲

[ 2015年2月23日 05:30 ]

直線で抜け出したコパノリッキー(右)がインカンテーション(左)などを振り切り連覇

 15年中央競馬のG1開幕戦「第32回フェブラリーS」が22日に東京競馬場で行われ、1番人気のコパノリッキーがレース史上初の連覇を達成した。手綱を取った武豊(45)は03、06、08年に続き、全て1番人気で同レース4勝目を挙げた。管理する村山明師(43)は12年テスタマッタも含め、同レース3勝目。いずれもフェブラリーS最多勝となった。

【レース結果】

 最低16番人気の“平幕”として大金星を飾ってから丸1年。コパノリッキーが、今年は堂々の横綱相撲で1番人気に応え連覇を飾った。逃げるはずのコーリンベリーが出遅れ、場内がざわつく。リッキーも武豊が「あまり出が良くなかった」と振り返るように、少しタイミングが遅れてのスタート。ゲートを決めて横一線で先手をうかがう8頭の内をすくって、先頭に立とうとした瞬間、大外からアドマイヤロイヤルが果敢にハナへ。労せずして理想の2番手に収まった。

 「コーリンが来ないのは分かったので、ハナへ行こうと思っていたら、ノリさん(横山典)がいい形で行ってくれた。その後はスムーズ。4角の手応えも良かったので、直線は後ろを意識せず自信を持って動いて行った」。想定外の展開にも事もなげに対処するあたりは、さすが名手。砂をかぶらないよう、ロイヤルの真後ろではなく外側を追走し、残り300メートルで抜け出して後続を完封した。

 鞍上はこのレース4勝目。03年にはリッキーの父ゴールドアリュールで制しており「一年の最初のG1を勝つのは気持ちがいいし、父に続いて1番人気で勝てたのもうれしい」と汗を拭った。

 他馬の蹴り上げる砂を嫌がるリッキー。村山師は「豊さんが冷静に砂をかぶらない位置で運んでくれた」と好騎乗に最敬礼。力の違いを見せつけた形だが、仕上げには悔いを残していた。パワーアップを期してカイバ量を増やし、事前計量で556キロあった体重が輸送で急降下。結局は536キロと、前走から2キロ減での出走だった。「もっと体を増やして出すはずだったが、思ったように調整できなかった。それでも厩舎に馬を見に行ったら“そんなに心配するなよ”という顔でこっちを見ていた。きょうは馬の能力で勝たせてもらった」と愛馬を称えた。

 次走は同じく連覇の懸かる交流G1かしわ記念(5月5日、船橋)。そして今年の最大目標は、昨年12着に大敗したチャンピオンズC(12月6日、中京)でホッコータルマエに雪辱することだ。村山師は「直線では自然と“きょうはタルマエがいないんだから頑張れ”と念じていた。もっと鍛えて、強いリッキーを見せたい」と力を込めた。

 来年は全米最高峰のダートG1「ブリーダーズカップ」に参戦するプランもあるが、まずはタルマエと決着をつけるのが最優先。真のダート王を目指す一年は、始まったばかりだ。

 ◆コパノリッキー 父ゴールドアリュール 母コパノニキータ(母の父ティンバーカントリー)牡5歳 栗東・村山厩舎所属 馬主・小林祥晃氏 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績16戦9勝 総獲得賞金4億9726万4000円(戦績、賞金共に地方も含む)。

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