【京都記念】キズナ衝撃の6F78秒7 豊直訴「どうしても乗りたい」

[ 2015年2月12日 05:30 ]

戦列復帰へ万全仕上げ!!武豊を背に驚がくの時計を叩き出したキズナ

 京都記念、共同通信杯、クイーンCの最終追い切りが11日に美浦、栗東トレセンで行われた。京都記念は凱旋門賞挑戦馬が始動戦に選んだ好カード。一昨年4着のキズナは主戦・武豊が志願騎乗して猛時計を叩き出せば、昨年6着のハープスターもゴムまりのように弾んで余力十分の脚さばき。牡牝の超一流ディープ産駒が順調な仕上がりを披露した。

 スターホースの戦列復帰で、世界が一気に春めいてきた。287日ぶりに実戦を迎えるキズナの背には主戦・武豊。「どうしても乗りたい」と直訴しての最終追い切り騎乗だった。

 CWコースでスタートからグングン加速。鞍上をリードする“前進気勢”と威圧感倍増の巨体(推定510キロ)が見る者を魅了する。脚勢は最後まで緩まず、ラスト1F11秒8で駆け抜けた。佐々木師は手渡された時計に一瞬言葉を失った。「速いな…。(重要なのは)時計じゃないけど」と笑いながらも、6F78秒7の数字に息をのんだ。

 昨年12月12日の帰厩からここまで2カ月、懸命に乗り込まれて来た。先々週1月28日に骨折後初めて武豊がコンタクトを取り、CWで6F80秒4(重馬場)の時計で驚かせた。4日には坂路の極悪馬場で4F52秒2を刻んだが、それでも「あれぐらいでは全く負荷が掛かってない。ケロッとしていた」(佐々木師)という恐るべき心肺機能。そこからさらに踏み込んだ仕上げには脱帽するしかない。

 「2週前に乗ってもらった時から息はできている。コース追いも3回目になるが先週坂路でやって少し重くなった感じだったので、ちょうど良かったかな」と指揮官も満面の笑みだ。

 約10カ月ぶりの実戦に鞍上は「感触はまずまず。ダイナミックな走りで骨折明けとしてはいい状態。十分戦える態勢にあると思います」と意識的にトーンを抑えたが、同時に譲れないプライドは自覚するところで「いきなり強い馬がいますが、舞台はいい。あとは自分のレースをするだけ。“結果”を求められる馬なので期待に応えたい」と表情を引き締めた。

 ライバルが昨年凱旋門賞に挑戦(6着)した現役最強牝馬のハープスターなら、相手にとって不足なし。15年春始動戦を制すのは、ダービー馬キズナだ。

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