【日経新春杯】アドマイヤデウス復活V 骨折明け7カ月半ぶり何の

[ 2015年1月19日 05:30 ]

日経新春杯を制したアドマイヤデウス

 京都の古馬重賞「第62回日経新春杯」は昨春ダービー7着以来の4歳馬アドマイヤデウス(6番人気)が内から突き抜け、重賞初制覇を飾った。

 厩舎の、そしてオーナーの思いがたっぷり詰まった素質馬の復活V。左前膝骨折からの復帰戦だったアドマイヤデウスが、ラチ沿いからスルスルと抜け出して重賞初制覇。検量室前では岩田と橋田師、厩舎スタッフ、さらには近藤利一オーナーも加わり、歓喜の輪ができた。十八番の“イン差し”で勝利に導いた岩田は、何より先にパートナーを称えた。

 「落ち着きが出て、大人になっていました。ゲートを出て“これなら前に行ける”と思いましたし、自分からハミを取ってくれたので、リズム良く運べましたよ。直線まで我慢してくれたし、よく伸びましたね」

 昨春は後方からの競馬が続いていたが、この日は好発からスッと前へ。それでいて折り合いもスムーズだった。中団で脚をためて、直線は迷わず最内へ。全く距離ロスなく運び、外から迫ったフーラブライドを3/4馬身しのいで、先頭でゴールを駆け抜けた。いつもはクールな橋田師も、思わず笑みを浮かべる。

 「岩田君がうまく乗ってくれたし、馬もひと回りたくましくなった。ダービーより落ち着きがあったね」

 祖母は中長距離で活躍した“アドマイヤ創成期の名牝”アドマイヤラピス。一族からは重賞3勝のアドマイヤフジ、全日本2歳優駿を制したアドマイヤホープ、志半ばで早世した福島記念の覇者アドマイヤコスモスなどが出ており、いずれも“橋田厩舎×近藤オーナー”のタッグ。昨春のダービーはレース中の骨折で7着に終わったデウスだが、この勝利で一族悲願の中央G1制覇が視界に入った。

 「きょうの内容なら長い距離でもいけそう。春は天皇賞を目標にします」

 橋田師はきっぱりと宣言した。1歩、2歩先を行く同期生に追い付け、追い越せ。この馬にとって今年は大きく飛躍する一年となりそうだ。

 ◆アドマイヤデウス 父アドマイヤドン 母ロイヤルカード(母の父サンデーサイレンス)牡4歳 栗東・橋田厩舎所属 馬主・近藤利一氏 生産者・北海道浦河町辻牧場 戦績9戦4勝 総獲得賞金9586万2000円。

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2015年1月19日のニュース