【京成杯】良血ベルーフ大外一気!ハービンジャー産駒初重賞

[ 2015年1月19日 05:30 ]

後方から進出し、大外を一気に差して1着でゴールするベルーフ(17)。左から3頭目は2着のブラックバゴ

 クラシックを見据える3歳重賞「第55回京成杯」が18日、中山競馬場で行われた。後方を進んだ3番人気の良血ベルーフが大外から突き抜け、重賞初制覇を飾った。現3歳が初世代のハービンジャー産駒も待望の重賞初V。母の兄にステイゴールドがいる良血が、同舞台の皐月賞(4月19日、中山)の有力候補に浮上した。

【レース結果】

 ベルーフがクラシックの扉をこじあけた。横一線、火花が散る叩き合い。最終4コーナー15番手から満を持して外に出すと、ごぼう抜き。一度は完全に前に出たブラックバゴを鼻差でねじ伏せた。メンバー最速タイ3F34秒8の剛脚でつかんだ価値ある重賞初Vだ。

 殊勲の川田は息を弾ませて切り出した。「ゴールした瞬間、勝ったか分からなかった。何より、無事に終えられてホッとした。前走と比べてだいぶ真面目になっていたけど、きょうは流れ的に厳しかった。楽な位置ではなかったが、よく差し切ってくれた」

 初の中山。大外17番枠。しかも、5F61秒9のスロー。前走・エリカ賞は勝つには勝ったが、道中とゴール前で物見をし、フラついたベルーフには“三重苦”の試練だった。1頭になると、跳んで行きかねないやんちゃな愛馬を川田は懸命に御した。向正面で馬を外に置いて壁をつくり、1頭になったのは大外に出した残り300メートル。タメたエネルギーを剛脚に転化した。

 池江師は「中山2000メートルで大外枠は不利。出入りの激しい競馬をうまくさばいてくれた」と川田の好プレーをまず称賛。続けて「スタッフも調教でいろいろ考えてくれている。それが気性の成長につながっている」と目を細めた。正月返上で“オルフェーヴル流”の単独調教を積んだ。隊列を組まず、常に違う場所を1頭で歩かせて自立心を育んだ。池江厩舎の偉大な先輩オルフェの2歳冬~3歳春と同じメニュー。初の中山をクリアしたのは鍛錬の結果でもある。

 川田は「もともと、いいものは持っていた。精神面の幼さもきょうは隠してくれた。大人になりながら、これからも成長してくれれば…。夢も広がってくる」と目を輝かせた。賞金加算で同舞台の皐月賞はもちろん、3冠切符を手中に収めた。

 母の全兄はステイゴールド。期待の新種牡馬ハービンジャーから初めて誕生した重賞ウイナーは滋賀県のノーザンファームしがらきへ放牧に出て、春に備える。「今後は放牧後の状態を見てから」と指揮官はクラシックを見据えた。ドイツ語で「使命」と命名された良血馬。その名にたがわぬミッションはもちろんクラシック獲りだ。

 ◆ベルーフ 父ハービンジャー 母レクレドール(母の父サンデーサイレンス)牡3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績4戦3勝 総獲得賞金5869万3000円。

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