【岸和田・KEIRINグランプリ】武田 男気“圧勝劇”でGP初V

[ 2014年12月31日 05:30 ]

岸和田GPを制して選手仲間から胴上げされる武田豊樹

 G1初制覇の地で頂(てっぺん)に立った!「KEIRINグランプリ2014」は30日に大阪・岸和田競輪場で行われ、逃げた平原康多を追走した武田豊樹(40=茨城・88期)が番手から出てGP初優勝、賞金1億170万円を獲得した。今年は3カ月間の自粛期間がありながら、10年村上博幸以来となる通算7例目の年間取得賞金2億円超えを達成した。2着には村上博幸、3着に村上義弘が入った。

 武田は前検日から周囲のけんそうをよそに、微動だにしない姿を見せていた。

 最近5場所の優勝戦で2着2回、3着1回とわずかの差で優勝できずにいた。何かを変えなくてはいけない――。そのために今回は直前の準備から一新した。グランプリに向けて調整休養してもおかしくない直前の広島記念を走り、練習もいつも通りの内容で本番を迎えた。武田は「準備はできています」と多くは語らなかった。

 レースは平原に前を任せての戦い。村上兄の突進、深谷の巻き返しとレースは激しく動いたが「少しでも平原君から遅れないように。それだけに集中していました」と振り返る。最終バックでは全ての力を振り絞り番手から出て行く。その脚力は圧倒的で2着に4車身差をつける圧勝劇だった。

 GPを制したことで獲得賞金は2億円を突破。そして初の賞金王となった。「この世界に入って以来、賞金王は目標でした。一つ自分の目標が達成できたと思います」。もちろんこれはあくまでも通過点。まだまだ高みを目指していく気持ちに変わりはない。

 来年からギア規制により、レース形態が変わることが予想される。それについて「筋肉の痛みがなかなか取れなくて本気で苦しい時もある」と不安の言葉も口にした。長年の酷使で肉体は悲鳴を上げている。それでも何より競輪が好きで、ベストのパフォーマンスを見せるために全てをかける覚悟はできている。

 「追い込み選手に変わったわけではないので、先頭を走る選手として弱った姿を見せるわけにはいかない」。40歳にしてさらに進化を続ける男が、来る年も競輪界を引っ張り続けていくのは間違いない。

 ◆武田 豊樹(たけだ・とよき)1974年(昭49)1月9日、北海道斜里町生まれの40歳。私立釧路緑ケ岡高卒(現・私立武修館高)。03年7月プロデビュー。通算成績は855戦345勝。通算取得賞金は11億4098万円。主なビッグ優勝は09年日本選手権、09、14年オールスター、12年高松宮記念杯、12年競輪祭、グランプリ2014。ソルトレークシティー五輪(02年)スピードスケート500メートル8位。1メートル77、90キロ。血液型O。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月31日のニュース