【有馬記念】東の横綱フェノーメノ上昇 戸田師「スイッチ入った」

[ 2014年12月25日 05:30 ]

Wコースで単走で追い切るフェノーメノ。唯一の関東馬として実力を見せつけたい

 「第59回有馬記念」の最終追いが24日に行われた。美浦では関東から唯一出走のフェノーメノが、単走で息を整え大一番に備えた。強豪関西勢に目を奪われがちだが、今春に天皇賞連覇を達成した実力馬の復活にも期待が懸かる。

 追い切り直前、角馬場で準備運動をするフェノーメノに、戸田師が鋭い視線を送る。「ちょっとうるさいくらいの感じ。やっと馬がその気になったかな」。程よく気合が乗った愛馬の姿に、指揮官は最終追いを待たずして、確かな上昇気配を感じ取った。

 運動を終えてWコースへ。単走で流し、直線で軽く気合をつける程度にとどめたが、1週前に併せ馬でしっかり負荷を掛けており、予定通りの調整。「追い切りに向かう雰囲気が、これまでとは違う。気迫が感じられた。それでいてコースに入ったら、掛かることなく最後もきっちり反応してくれた。1週前追いが、この秋3戦の中では一番躍動感があった。いいスイッチが入ったようだ」。戻りつつある闘争心と、折り合いに専念できる冷静さ。師も納得の絶妙なバランスは、復調の証でもある。

 天皇賞・春を連覇した直後から「秋は王道3戦」を目標に掲げてきた。宣言通りに参戦した天皇賞・秋で14着、ジャパンCで8着と、見せ場すらつくれなかった。ジャパンCから新コンビを組むはずだったルメールが、前週の落馬負傷で騎乗不可となるアクシデントも水を差した。「乗り代わりなども含め、勝負事の流れに乗れなかった。全体のリズムが悪くなり、馬も少し気の抜けたような競馬になってしまった」と指揮官は振り返る。

 今年最後の大一番には田辺が騎乗する。1週前追いに騎乗し「少しは特徴をつかめた。いい馬だし先入観なしに新鮮な気持ちを大事にして臨みたい」と意気込む。戸田師も「最後にいいジョッキーを確保できたし、手応えもつかんでくれている。秋2戦はふがいなかったが、これまでになかった気合乗りが、いい方向に出てくれれば。何とか挽回したい」と力強く締めくくった。西から大挙東上する強豪を、たった1頭で迎え撃つ関東馬。春の天皇賞を連覇した底力は侮れない。

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2014年12月25日のニュース