【阪神JF】スマートプラネット “十字紋軍団”の勢いに乗る

[ 2014年12月11日 05:30 ]

スマートプラネット(左)は、併走馬に馬なりで楽々と先着

 【G1ドキュメント=10日】2歳戦を席巻する“十字紋”軍団が馬場から引き揚げてくる。その一団を率いる和田雄師は調教場の出口でスマートプラネットを見つめながら満足そうに目を細めた。「デビュー前から完成度が高かったが、レースを重ねるごとに力を付けている。きょうも併せ馬で申し分のない動きだった」。Wコースで馬なりのまま外からカシノリクノオウ(2歳未勝利)に3馬身先着した追い切りを振り返る。

 「前走後はソエも治まってしっかり負荷を掛けられた」。言葉を継ぐ担当の原田助手らスタッフが着込んでいるのは「丸に十の字」のロゴマークが背中に付いた厩舎ジャンパー。薩摩島津家の家紋で知られる十字紋に似ている。「和田厩舎なので輪(和)に田をあしらったロゴにした」と同師は長老記者の梅崎に照れ笑いを浮かべたが、鹿児島出身だけに十字紋には愛着が強い。「師匠の吉永正人先生(故人)も鹿児島人。ロゴマークに郷里への思いも込めた」と続けた。

 この十字紋軍団、今年の2歳戦線で猛威を振るっている。2歳馬6頭が勝ち上がり、関東2位タイとなる9勝(10日現在)。開業2年目で大躍進した理由を「馬主さんにいい馬を預けていただいたおかげ」と語る同師だが、重たい坂路で日々鍛え抜いてきた。スマートプラネットと次週・朝日杯FSのコスモナインボールはその代表格だ。「プラネットはマイル経験もあるし、長距離輸送も新潟出走で経験積み。でも、厩舎初のG1挑戦だし、使えるだけでありがたいです」。薩摩人らしい謙虚さで締めくくったが、厩舎の勢いを追い風にすれば2歳女王の座も見えてくる。

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2014年12月11日のニュース