元ジョッキー・柴田政人師「騎手人生の中でも忘れられない一頭」

[ 2014年12月5日 05:30 ]

ミホシンザンに全16戦騎乗した元ジョッキー・柴田政人師

ミホシンザン大往生

 ミホシンザンの全16戦に騎乗した柴田政人元騎手(現JRA調教師)が名馬を悼んだ。

 ミホシンザンは、自分の騎手人生の中でも忘れられない一頭です。

 皐月賞を勝った時には、これでミスターシービー、シンボリルドルフに続き、3年連続で3冠馬が誕生すると確信しました。骨折でダービーを使えなかったのは無念でしたが、菊花賞で“やっぱり、この馬は強い”と思わせる勝ち方をしてくれた時は、本当にうれしかった。自分にとって、ミホシンザンと挑んだレースで一番印象に残るのは菊花賞です。

 最後に合ったのは、ミホシンザンがまだ元気な頃。最近は弱っていると聞いた時、35歳まで生きた父シンザンのことを思い出しました。目が見えなくなり、ラチ沿いをゆっくりと歩いていた姿。ミホシンザンもそんな状況なのかな…と。ミホシンザンは、シンザンの大ファンだった堤勘時オーナーが、子供をどうしても欲しいと、探し回って見つけた馬。その話を聞いていたので、何とかいいところを見せたかった。G1・3勝、何とかオーナーの期待に応えられたかな…と感じたものです。

 願わくば、父シンザン以上に長生きをしてくれれば…と思っていましたが、サラブレッドにとって、32歳でもかなりの高齢。父には届かなかったけれど、長生きしてくれたと思います。これからは静かにゆっくり休んでほしい。いなくなっても、自分たちの記憶の中にはずっと残っていく名馬です。

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2014年12月5日のニュース