【ジャパンC】“JCの角居師”ウオッカ以来V 国内G1・21勝目

[ 2014年12月1日 05:30 ]

エピファネイアを栄冠へ導いたスミヨンはNo.1ポーズを決める

 角居流調教で菊花賞馬が復活!!「第34回ジャパンC」は4番人気のエピファネイアが優勝。延べ13頭を送り込み、今回で【2・2・4・5】。JCと抜群の相性を誇る角居勝彦師(50)が09年ウオッカ以来のVを飾った。調教に工夫を加え、前向き過ぎる気性をコントロールしてレースぶりが一変。同師はラキシスで制したエリザベス女王杯に続き今年G1・2勝目。ジャパンC2勝は松田博、スタウト、石坂各師に並ぶ歴代最多タイとなった。

【レース結果】

 さすがはJCの角居厩舎――。復活Vを遂げたエピファネイアが検量室に引き揚げてくると、鞍上のスミヨンとハイタッチした角居師は「菊花賞から結果が出ていなかったが、能力を見せられてホッとしている」と安どの表情を浮かべた。グレード制が導入された84年以降、藤沢和師の22勝にあと「1」と迫る、歴代2位のG1・21勝目。09年ウオッカ以来2勝目となるジャパンC制覇の喜びを静かにかみ締めた。

 常々「日本にいながら世界の強豪と対戦できる、日本を代表する国際レース」と話すように、師にとってジャパンCは特別な存在。04年デルタブルースを皮切りに07年から8年連続出走、11年を除いて毎年3着以内に送り込む相性抜群のレースだ。ウオッカは天皇賞・秋3着後、エリザベス女王杯に見向きもせずに参戦。オウケンブルースリを2センチ差抑え、歴史に残る名勝負を演じた。

 昨年の菊花賞V後は3連敗。今年未勝利だったが、角居流調教でよみがえった。05年米オークスを制した母シーザリオから高い能力を受け継ぎながらも、「パワーが有り余っていて困っている」と師が話すほど、前向き過ぎる気性がネック。常に折り合い難がつきまとった。その気性をコントロールしようと、春先までの馬なり主体の調教を、この秋から強めに切り替えた。「春先は前向きさが少なかった。秋から気持ちを高めるように調教してきたが、前走はそれがマイナスに出てしまった」と分析。前走の天皇賞・秋は出遅れ、さらに道中は気負いっ放しで6着に沈んだ。

 今回は一転、中間の動きからも確かな変化を感じ取っていた。「パドックを周回して徐々にエキサイトしていたが、暴れるところまでいかなかったから大丈夫だと思った」と角居師。レースについては「折り合いがギリギリだったけど、ジョッキーが抑え込んでくれた。道中脚をタメてくれたし、直線でもうまく飛び出してくれた」と回顧した。激しい気性はいい方向に転べば爆発的な瞬発力を生むが、逆に転がれば…。紙一重の気性をコントロールして持ち味を引き出した陣営の勝利でもあった。

 注目の次走は有馬記念(28日、中山)が有力。昨年の皐月賞(2着)以来の中山となるが、舞台を替えても再び強いエピファを見せてくれるはずだ。

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