【ジャパンC】スピルバーグ 3頭併せ4F56秒6、余力たっぷり併入

[ 2014年11月27日 05:30 ]

坂路でレッドレイヴン(左)、キミノナハセンター(奥)と併せて追い切るスピルバーグ

 競馬の祭典「第34回ジャパンカップ」の関東馬の最終追い切りが26日、美浦トレセンで行われた。天皇賞・秋でG1馬の仲間入りをしたスピルバーグが藤沢和流の気持ちを乗せる併せ馬で順調ぶりをアピール。雨で悪化した馬場をモノともせず成長力を見せつける迫力十分のフットワークで駆け抜けた。1カ月前までは重賞未勝利馬だったのが世界の頂点へ。G1連覇のサクセスストーリーに期待が高まってきた。

【ジャパンC】

 天皇賞馬の金看板を背負ったからこそ、スピルバーグはなおさら自然体に徹した。土砂降りの雨の中、天皇賞同様に坂路で最終追い。ぬかるむウッドチップを蹴散らして徐々に加速。3馬身前を行くレッドレイヴン(4歳オープン)に残り2Fで早々と並びかけると、その後は手綱をしっかりと抑えたまま。急接近したキミノナハセンター(3歳1000万)を待つ形で、3頭の真ん中で余力たっぷりに併入でゴール。4F56秒6~1F14秒5。思えば、天皇賞時も4F56秒0~1F14秒2と、よく似た地味!?な時計。勝ってもブレず、長年培った流儀を貫く“藤沢和流”の真骨頂だ。

 騎乗した北村宏は穏やかな表情で切り出した。

 「入りのスピードだけは、コントロールが利くように注意した。あとは手応えを見ながら。馬場は悪かったが、しっかりと走れている。天皇賞のいい状態を維持できている。順調にきてますね」

 体質が弱く、使いたいレースに使えなかったのは昔話。毎日王冠(3着)から中2週→中3週。順風満帆が成長の証だ。この日封印した剛脚はもちろん本番に温存。藤沢和師は「稽古はうちの厩舎でも(時計が)遅い馬だけど、いつもこんな感じでやってます」と報道陣の笑いを誘えば、鞍上は「以前は調教でも強い負荷をかけられなかった馬が、今はレースも詰めて使える。その辺りが成長なのかな」と目を細めた。

 天皇賞・秋は85年ギャロップダイナ以来、実に29年ぶりに重賞未勝利馬Vの大仕事。今度は世界の頂点を極めようとしている。3歳時のダービー(14着)以来の2400メートル克服にも前向きだ。鞍上は「折り合いについては割と素直にコントロールできる馬。天皇賞も最後までしっかり伸びた。こなせると思って臨みたい」と腹を据えた。天皇賞・秋優勝馬が同年のジャパンCを勝てば、厩舎の偉大な先輩ゼンノロブロイ(04年)以来、ちょうど10年ぶり。天皇賞同様、再び突き抜けても誰も驚かないはずだ。

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2014年11月27日のニュース