【ジャパンC】イスラボニータ 5馬身後方から一気追い!

[ 2014年11月27日 05:30 ]

Wコースでシャイニープリンス(奥)と併せて追い切るイスラボニータ

 先週の3日間開催の影響で、今週のトレセンは変則日程。通常は追い切りが集中する水曜だが、ジャパンC出走組では関東馬4頭のみが美浦で最終追いを行った。天皇賞・秋3着からの巻き返しを期す3歳馬イスラボニータは、Wコースの併せ馬で軽快な脚さばきを披露。関西馬は27日に最終追い切りを行う。また同レースの出走馬、枠順も同日に確定する。

【ジャパンC】

 大粒の雨に煙る美浦Wコースを、イスラボニータが疾走した。坂路1本で呼吸を整え、ハロー(整地)明けを待ってコース入り。シャイニープリンス(4歳オープン)が先行し、5馬身後方からスタートした。馬の行く気に任せたが、自然と加速して前の馬との間隔を詰めていく。直線で内に馬体を併せると、手応えに余裕を残したまま併入。派手なアクションは一切ないが、追えばいくらでも伸びるような雰囲気を漂わせてフィニッシュした。

 「レースに使う週なので、お釣りを残すように指示。反応だけを見ていたが、十分な内容だった。すこぶる順調に来ています」。最終追いの動きを見届けた栗田博師は静かに口火を切った。「天皇賞(秋=3着)は目いっぱいの競馬ではなかったから、疲労の回復も凄く早かった。上積みうんぬんというより、ここまで問題なく順調に来たのが何より」

 その前走は好位3番手を追走。直線残り200メートルで、いったんは完全に先頭に立ったが、外を追い込んだスピルバーグ、最内を突いたジェンティルドンナの末脚に屈して3着に敗れた。「少し先頭に立つのが早かった。1頭になるとソラを使う(気を抜く)タイプ。前に目標を置いて最後にかわすのが理想。そういう意味では残念な競馬だった」。指揮官はそう振り返った上で「それでも負けは負け。その点は受け止めている」と表情を引き締める。

 名手ルメールをしての早仕掛けは、手応えがあったからこそとも言える。今回はデビューから8戦続けて騎乗した蛯名に手綱が戻る。師は「長く乗っているジョッキー。馬の癖も分かっている」と全幅の信頼を置く。蛯名は「上手に遊ばせながら走ることが大事。道中の遊びとゴール前の遊びは意味が違う」と表現。中盤までは余裕を持たせ最後にいかに集中させるか。勝ちパターンを熟知した鞍上の存在は何より心強い。

 「あと1つタイトルとか、そんなことは考えていない。来年も含めて期待している馬。これだけ強い相手にどこまで通用するのか。そういう楽しみを持ってレースを見たい」。栗田博師は穏やかな口調で締めくくった。人馬共に、熱い闘志を内に秘めて、古馬の高い壁に挑む。

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2014年11月27日のニュース