【マイルCS】ミッキーアイル、3歳馬Vへ加速“遊びながら”51秒2

[ 2014年11月20日 05:30 ]

浜中を背に坂路で好時計をマークしたミッキーアイル

 14年ぶりの3歳馬Vへ、ミッキーアイルが万全の態勢を整えた。「第31回マイルCS」の追い切りが19日に栗東・美浦両トレセンで行われ、前哨戦のスワンSを快勝した3歳マイル王ミッキーアイルが、栗東坂路を単走で4F51秒2の好時計をマーク。1週前に放馬したアクシデントの影響をみじんも感じさせない動きで、持ち前のスピードを見せつけた。

【マイルCS】

 若さと勢いが存分に出た追い切りだった。ミッキーアイルは浜中を背に開門直後の3頭目で坂路に登場。きれいな馬場でリズム良くラップを上げていく。残り1Fからはラチを頼って左にモタれたが、これはいつもの癖。4F51秒2はこの日3番目の好時計。馬なりのままラスト1Fも12秒4としっかり伸びた。音無師は「最後で遊びながらこの時計が出たのは良かった」と満足げに話した。

 12日には坂路で放馬。4F49秒8という猛時計をマークしてしまった。師は「大きな誤算」と認めた上で「悪いことは忘れるようにする性格。G1なのでしっかりやった」と納得の口ぶり。浜中も「放馬の影響は感じなかったし、動きは良かった」とひと安心だ。

 ディープインパクト産駒で初めてG1を逃げ切った異色の3歳馬。師も浜中も最大のセールスポイントを「二の脚」と話す。近2走はスタート自体は速くなかったが、そこからの加速力が抜群。師は「怖がりだから逃げているというわけではなく、トップスピードに早く入ってしまうだけ。わざわざ(位置を)下げる必要はないから、逃げる形になっている」と説明する。

 今回も同型不在で逃げが濃厚。依然としてスタートは課題だが、師は「休み明けを叩いて落ち着きも出てくるはずだし、今回の方がゲートもスムーズでは」と前向きだ。古馬初対戦の安田記念は不良馬場で全く力を出せずに16着。週末に雨予報がなく、理想の良馬場でやれそうなのもいい。京都は3戦3勝。師は「東京では勝った時も手前を何度も替えていたし、右回りの方がいい」と舞台を歓迎する。

 マイルCSでの逃げ切りは91年ダイタクヘリオスしかなく、3歳馬の優勝も00年アグネスデジタルが最後。ハードルは高いが、師は「1、2F目をセーブ気味に行けたらチャンスはあると思う」と話し、鞍上も「胸を借りるつもりでミッキーアイルらしい走りを見せたい」と腕をぶす。

 昨年11月の2歳未勝利Vの1分32秒3は、同月のマイルCS(1分32秒4)よりも速かった。早くから騒がれてきた天才ディープ産駒にとって、ジンクスは破るためにあるのかもしれない。

 ≪1週前追いVTR≫ミッキーアイルは1週前の12日、追い切りの予定はなくキャンターのメニューだったが、坂路のスタート地点前で放馬。騎乗者が乗っていない“カラ馬”のままで勢い良く加速して、最初の1F目から11秒8とトップスピードに入った。ラスト1Fは13秒8と自らペースを緩めたが、4F全体は49秒8の好タイム。同日、最も速かったイースターパレード(5歳1600万)の50秒7を上回り、事実上の“一番時計”となった。幸い、外傷などはなかった。

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