【マイルCS】サダムパテック ここ2戦“死んだふり”だったら…?

[ 2014年11月19日 05:30 ]

復権を懸ける、一昨年の覇者サダムパテック

 【G1ドキュメント=18日】日々戦いに明け暮れる競馬サークルは1年の流れが恐ろしく速い。昨年のマイルCS、トーセンラーの豪快な差し切りは記憶に鮮明だが、“その前年の勝ち馬は?”と問われて、オサムは一瞬戸惑ってしまった。

 一昨年の覇者サダムパテックが、復権を懸けて三たびこの舞台に矛先を向けて来た。「ユタカ復活、2年ぶりG1制覇!!」の大見出しが紙面のフロントを飾った12年秋。あのイン強襲の鮮やかな剛脚も記憶の彼方だが、やはりこの馬が持つ一撃必殺の破壊力は魅力だ。そしてここ2戦が“死んだふり”だとしたら?

 「前走、前々走と結果は出ていないが、前走のスワンS(10着)に関して言えば出遅れ。それに流れも遅かったからね。度外視できると思う。一回使って“ガス抜き”もできた。ある程度のラップを刻んで流れてくれたら」

 トーンを落として話す西園師だが、一変の可能性を感じているのは確か。しかし6歳のパテックには嫌なデータばかりだ。マイルCSは、4~5歳馬が圧倒的に強い。過去10年では5歳馬が5勝を挙げ、【5・3・4・44】の成績に対し、6歳馬の勝利は連覇を果たした07年のダイワメジャー1頭のみ。【1・0・1・30】と圧倒的苦戦を強いられている。09年に8歳ながら天皇賞・秋からマイルCSを連勝したカンパニーなどは例外中の例外だ。

 サダムパテックは競走馬として峠を越えてしまったのか?。そんなことはない。何より、トップハンデの58キロを背負いながら激戦を鼻差しのいだ7月の中京記念が強い。反撃の炎はメラメラと燃え続けている。

 「先週の坂路でも朝一番とはいえ、いい時計(4F52秒1~1F12秒9)で動いた。状態は上向いているから、あとはコース相性とこの馬の能力に期待したい」と指揮官。19日の最終追いで衰えぬ闘志が確認できれば、厚い印が必要かもしれない。

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2014年11月19日のニュース