【AR共和国杯】また北村宏だ!フェイムゲーム鮮やか差し切りV

[ 2014年11月10日 05:30 ]

馬群から抜け出したフェイムゲーム(右)が1着でゴール

 東で西で、新たなスター候補がG1戦線に名乗りを上げた。9日、東京競馬場で行われた「第52回アルゼンチン共和国杯」は、フェイムゲームが快勝。鞍上の北村宏司(34)は、スピルバーグで制した先週の天皇賞・秋に続き2週連続の重賞V。この勝利で自身2度目のJRA年間100勝も達成した。

【レース結果】

 鞍上の勢いが、そのまま乗り移ったような直線の伸び脚。北村宏に導かれ、フェイムゲームが鮮やかな差し切りVを決めた。大逃げを打ったデスペラードから最後方まで20馬身以上ある縦長の展開。向正面では中団よりも後ろの位置取りになったが、鞍上に焦りはなかった。内ラチ沿いをキープしてポジションを上げたフェイムは、勝負どころの直線坂下で馬群に包まれたが、先に抜け出していたクリールカイザーの外へ強引に持ち出すと、温存していた末脚を余すところなく引き出した。

 「直線はなかなか進路がなくて苦労した。馬には申し訳ないレースになったが、結果として勝てて良かった」。北村宏は反省の言葉を交えながら冷静に振り返った。先週の天皇賞・秋に続き、自身14年ぶりとなる2週連続重賞V。昨年に続くちょうどJRA年間100勝目となったが鞍上に満足感はない。「うれしいが、もう少し早く達成したかった。さらにペースを上げて勝っていかないと」と表情を引き締めた。

 だが、G1も含めて自己最多となる年間重賞5勝目。関東を代表する騎手として、大きく飛躍を遂げたのは間違いない。宗像師も「他馬の間に入れて、(フェイムゲームの)闘争心をかき立てる競馬をしてくれた」と騎乗ぶりを称えた。馬も確実に進化している。師が「以前は反抗するタイプだったが、今は乗り手の指示に従順になっている」と評価した。

 3つ目のタイトルを獲得し、今後の選択肢も広がった。宗像師はジャパンC、スポニチ賞ステイヤーズS、有馬記念を次走の候補に挙げた。所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表は「JCは相手が強い」と消極的だったが「有馬記念は使いたい」とG1挑戦に意欲を示した。人馬共に円熟期を迎えて次のステージへ。東からの風が勢いを増してきた。

 ◆フェイムゲーム 父ハーツクライ 母ホールオブフェーム(母の父アレミロード)牡4歳 美浦・宗像厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績13戦4勝 総獲得賞金1億6266万2000円。

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2014年11月10日のニュース